« 2005年7月 | トップページ | 2005年9月 »

2005年8月の記事

2005年8月31日 (水)

パブリセビッチHC取材

P1080581s 日本を離れる前日、日本代表が合宿を行っていた国立スポーツ科学センターを訪れ、男子代表ヘッドコーチのジェリコ・パブリセビッチ氏にインタビュー。日本に帰国しているときしか代表チームを知る機会がないので、ここぞとばかりに、いろんな話を聞いてみた。話好きで知られるパブリセビッチHC(記者会見などでもひとつの質問に対して5分くらい話している。ときには、自分で「最後にまとめると」などと言って、会見をまとめるコメントまでしていたことも)だけに、いろいろと語ってくれて、田臥やbjリーグなど現チームとは直接関係ない質問もしたのだけれど、率直なコメントを聞かせてくれ、今の日本代表の現状がかなりよく理解できた。そのあたりは、いずれどこかで詳しく書こうと思う。

P1080566s  インタビューのあとは、パブリセビッチHCのほうから「代表の試合を見てどう思った?」と逆質問を受ける。今回のキリン・インターナショナルで、久しぶりに日本代表の試合を見て私が感じたのは大きく3点。そのうち2つはよくなった点で、まず以前に比べて身体の接触を嫌がらないチームになったこと、そして以前は完全にノーマークでないとなかなかシュートを打たなかったのが、今はそうではない、ちょっとの隙に躊躇せずにシュートを打てるようになったこと。そして3番目がチームの弱点の中で一番気になったところで、勝負強さを感じないところ。粘り強さはあるけれど、最後の山を超える勝負力を感じない。これはもちろんチームの若さによるところも大きいと思うが、4試合を見た限りでは、少なくとも今後1年間という短期間の経験で身に着けるのはかなり厳しいとも感じた。そういった話をしたところ、3つともパブリセビッチHCも感じていることらしく、「それは確かにそうだ」とのコメント。自分の中には、4試合ばかり見ただけで何がわかるんだという気持ちもあったので、大きく的をはずしていないようなのはほっとした。

 話はトニー・クコッチのことにもおよんだ。パブリセビッチ氏が日本代表のHCになった直後、ミルウォーキーに取材に行ったときにトニー・クコッチにそのニュースを伝えたことがあったのだけれど、そのことをパブリセビッチHCに言ったら、「ああ、君が話していたんだ。クコッチが(クロアチアの)協会に、私が日本のHCになったと聞いたという話をしてきたというのは聞いていたんだけれど、どこから聞いたのかはわからなかったんだよ」とのこと。
 また、アメリカでプレーしている日本人選手の話もチラっと。彼らについてどう思うかということを聞かれた。メディアの言うことなんて…と鼻で笑うのではなく、どんなところからでも情報収集をしようという気持ちがある人なんだなと感心した。

 次に私が帰国するのは1年後の世界選手権のとき。1年間で成長、変化した日本を大舞台で見られることを楽しみに、それまでは遠くから活動を追っていきたいと思う。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2005年8月25日 (木)

キリンインターナショナル ゲスト編

 キリン・インターナショナル第3戦@浜松と、第4戦@広島のあいだ、一日あいていた23日には広島で各チームのメディア向け公開練習と取材が行われたのですが、予定表にあったのは韓国、トルコ、日本の3チームだけで、なぜかリトアニアだけ予定に入っていません。この大会で一番チーム力があるリトアニアだけに、さすが余裕と思っていたら、そうではなく、浜松から名古屋に寄り道、愛・地球博のリトアニア館を訪れていたのだそうです。何しろ、バスケットボールといえば、リトアニアの国技であり、国として誇れるもののひとつということで、この日、リトアニア館では「バスケットボール・デー」と称して、ちょうど来日していた彼らを呼んだようです。
P1080534s  ところで、愛・地球博に招待されたバスケットボール選手は彼らだけではなく、もう一人、大物ゲストがいました。それが右の彼。オールドファンには懐かしい、元ゴールデンステイト・ウォリアーズのシャルナス・マーシャローニス。89年から7年間NBAでプレーしていて、言ってみれば、ヨーロッパ人NBA選手のはしり的な存在です。今回は愛・地球博のために来日して、ついでにチームといっしょに広島までやってきて、キリン・インターナショナルの最終戦を見ていました。
 試合前にいろいろと話をしたのですが、引退後はリトアニアでバスケットボール・アカデミーをはじめたり、リトアニアの国内リーグのコミッショナーをしたりと、かなり忙しい日々を送っていたとのこと。今は、ようやく一段落でゆっくりとした日々を過ごしているそうです。娘さんがアメリカで高校に通っていて、この秋からUCバークレーに進学するとのこと。そのことと関係あるのかどうか、元チームメイトのクリス・マリンがウォリアーズのGMをしていたり、ほかにもミッチ・リッチモンドがスカウトだったりと、懐かしい面々がチームに戻ってきているのでウォリアーズの仕事をするかも、なんていうことも言ってました。
 そして、衝撃の事実が発覚。なんと、マーシャローニスが前回来日したのは、20年前にキリンがスポンサーになって行われた大会(キリン・ワールド?)だったとのこと。ソ連チームの一員として来日したそうです。
 そういえば、一時はヤシキベス(現ヨーロッパでのトッププレイヤーの一人。夏にペイサーズと契約)が来日という話もあって、てっきりキリン・インターナショナルに出るためだと思っていたのですが、もしかしたら愛・地球博のための来日予定だったのかも(結局、ヤシキベスの来日は実現せずでした)。

-----
9/9 追記。
 愛・地球博のリトアニア館での様子を描写しているブログを発見。HOOPに短いマーシャローニス記事を書くときに参考にさせていただきました。お礼を兼ねて、初トラックバックに挑戦してみました。
 この中に出てくるタイタニックの質問と、それに対するリトアニア選手の答え、最高です。いったいどの選手がそう答えたのか知りたいです。NANDORAさん、もしわかったら、ぜひ教えてください。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

キリンインターナショナル そっくりさん編

 1週間前から日本に一時帰国、きのうまで、キリン・インターナショナル(日本代表、リトアニア、トルコ、韓国の4チームで行われた親善大会)を取材をしてました。
 いろいろ書きたいことはたくさんあるのですが、まずは小ネタでそっくりさん話から。こういう話こそ、どこにも原稿で書くことはないと思うので、ここでしか読めない(=それだけどうでもいい)話かも。

 今回来日したチームのうちリトアニアとトルコはどちらもNBA選手がいるわけでもなく、国のA代表でもないというレベル。私にとっても、初めて見る選手ばかり。そんな中でNBA選手のそっくりさんを見つけました。

P1080542s  まずは、リトアニアの先発ポイントガード、背番号4番のナヴィツカス。顔つきや、髪がくるくると巻いているところ、体つき、そしてプレースタイルもシアトル・スーパーソニックスのルーク・リドナーそっくり。リドナーのように、思い切りよくドライブインしていきます。かわいい顔をしていますが、これでけっこう気が強くて、筋が通った選手でもあり、なかなか気に入りました。4試合合計17アシストで大会アシスト王。最後の試合では、チームとして今ひとつ力が発揮できず、彼自身も不完全燃焼のままファウルアウトとなってしまったこともあって、この写真では、なんだか今にも泣き出しそうな表情ですけれど。

P1080551s  こちらはトルコの先発シューティングガード、背番号6番のフラーツ・アイデミール。いやらしい(ほめ言葉です)プレイヤーで泥臭いところが、現ヒューストン・ロケッツのジョン・バリーにそっくり。決して派手ではないけれど思わず「巧い」と言ってしまうような、バスケットボールを知り尽くしたプレーや、気持ちが熱いところ、その熱い気持ちがあふれ出て、つい審判に文句を言ってしまうこと、その文句の言い方、ふてぶてしいところまで、とにかくジョンそのもの。ジョンより髪があるところと、フリースローがけっこう下手なところ以外はそっくりで、見れば見るほど「ジョン!」と言いたくなるくらいでした。私があまりに「ジョン」「ジョン」と言っていたので、最後には、一部記者の間では「ジョン」と言えば通じるようになってしまったほど。対日本戦では3Qに早々とファウルアウトしてしまってましたが、それ以外の試合ではかなり活躍していて、気がついたら(彼の場合、まさに「気づいたら」という感じなんです)、4試合で75点もあげていて大会得点王。

 今回のチームはA代表ではないですし、彼らが来年の世界選手権で来日するかどうかわかりませんが、もし来日したら、彼らのプレーとともに、一年後のそっくりさん度もチェックしてみたいものです。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2005年8月 8日 (月)

ピーター・ジェニングス

 このブログもホームページも、基本的にバスケットボールの話だけを書く場だと考えているのですが、きょうはバスケットボール以外で書き留めておきたいことがあるので、non-basketballというカテゴリーを作ってみました。

 書き留めておきたいこととは、昨夜亡くなったABCニュースのキャスター、ピーター・ジェニングス氏のこと。アメリカに住んでいない方にとってはあまり馴染みがないかもしれませんが、ABCニュースの顔でもあったベテランキャスターです。肺がんで4月から看板番組のWorld News Tonight with Peter Jenningsを降板(番組としては、一時休みという形をとっていたようですね)、治療にあたっていたそうですが、昨夜、ニューヨークで家族に見守られながら息を引き取ったそうです。

 アメリカには、彼のほかにもテッド・カップル、ダン・ラザー、トム・ブローカー、そして女性でもバーバラ・ウォルターズというすばらしいテレビ・ジャーナリストたちがいますが、その中でもジェニングスは特別でした。少なくとも、私にとっては。

 といっても私はジェニングスをはじめとする米ジャーナリストのことに詳しいわけでもなく、正直言って、NBAのシーズン中は、夕方から夜にかけてNBAの試合かESPNにチャンネルをあわせることがほとんどなので、スポーツ以外のニュースを見ない日のほうが多いんです。だから、実を言うと、恥ずかしながら、ジェニングスが肺がんを理由に番組を降板していたことも、今回の死亡のニュースで初めて知りました。

 そんな私が、ジェニングスをほかのキャスターとは別の目で見るようになったのが、9/11事件後の報道でした。さすがに事件直後は、どのネットワークもエース・キャスターたちがテレビ画面に出てきていました。少しでも多くの情報を知りたいという気持ちから、あちこちのチャンネルをサーフィンしていたのですが、こういうときはどうしても愛国主義的な機運が高まるもので、中でもふだんから若者向けをうたっている某局などは、当初のショックが収まると「アメリカ最強、こんなことをしたやつらをやっつけろ」といった好戦的な空気を前面に出してきて、見ていられない気分になったものでした。もちろん、上にあげたベテランのキャスターたちが仕切っている番組はそんなひどいことはなく、安心して見てはいられたのですが、でも、やはりアメリカからの視点ばかりであることが気になっていました。アメリカ人が、アメリカ人に向けて放送しているのだから当然なことなのですけれど。

 でも、そんな中でジェニングスだけは、少し違ったのです。もちろん、犠牲になった人たちに対する哀悼の意は根っこにもちながら、それでも、どうしてこういうことが起こってしまったのか、ほかの番組にはない多極的な視点で報道していました。中でもすばらしかったのが、いろいろな人種のアメリカ在住の子供たちを集めて、9/11について話し合った番組。子供たちだけでもこれだけ多岐に渡る視点が出てくるのかと思わせてくれる、すばらしい番組でした。当たり前のことと思うかもしれませんが、それだけ当時のアメリカのメディアで出てくる視点は偏っているものが多く、余計に新鮮だったのです。

 そういった、多岐にわたる子供たちの声をうまく引き出していたが、司会をしていたピーター・ジェニングス。床に座って子供たちと同じ視線の高さになり、あるいは輪になって座る子供たちの間を歩き回りながら、子供たちに、どういう気持ちでいるのか、なぜそう思うのかといったことを問いかけていました。それも、あらかじめ決められた筋書きの方向に子供たちの意見をまとめようとするのではなく、子供たちの言うことに真剣に耳を傾け、ともに学ぼうという姿勢が表に出てきていて、すばらしい番組でした。あのときは、アメリカ中、子供たちだけでなく、大人も混乱していた時期で、それなのに物知り顔に語る大人も多かったので、ジェニングスのそういった姿勢はとても新鮮に映ったのです。

 その番組を見た後、インターネットで調べて、ジェニングスがカナダ人だということを知り、それで彼はアメリカ人キャスターたちとは違う視点を持っているのかと納得したものです。ABAのサイトの掲示板では、ジェニングスがカナダ人だからアメリカのニュースを伝えるのにはふさわしくないと批判する声もありましたが。でも、そういった一部の批判は別にして、ジェニングスのような他国(たとえ、それが同じ言葉を使う、ほかよりも近い隣の国であっても)の人物がニュース番組の顔となっているということに、今度はアメリカの懐の深さも感じたものです(ちなみに、ジェニングスはその2年後、2003年にアメリカの市民権を獲得したそうです)。

 私の仕事は、ジェニングスがやってきたこととはまったく分野も違いますし、本当に比較にならないほどちっぽけなことにすぎませんが、どんな仕事をするにしても、ああいった広い視点で考えられる人間でいたいと思います。

 きょうは夕方から、ずっと、ABCやCNNでジェニングス追悼の番組を見ていました。肺がんで"World News Tonight with Peter Jennings"を降板するときの、最後のジェニングスの挨拶も今さらながら見ましたが、病気の影響でかすれ始めた声で、それでも表情は崩れることなく、ジャーナリストの表情でした。

 もう、彼が仕切る番組を見られないとわかって、今さらながら、もっと見ておくべきだったと後悔しています。

 どうか、安らかに眠られますように。

ABCのサイトには、ジェニングスの特集ページがあります。
http://abcnews.go.com/WNT/Jennings/

| | コメント (5) | トラックバック (0)

« 2005年7月 | トップページ | 2005年9月 »