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2005年11月の記事

2005年11月27日 (日)

スタッツ

 この週末はまたアルバカーキに来ています。田臥選手が所属するサンダーバーズのシーズン3戦目と4戦目の取材です。

 ところで、皆さんはアルバカーキを英語で綴れますか? いつの間にか在米年数が20年に近づいている私ですが、今月の頭まではAlbuquerqueの綴りは知りませんでした。さすがにこの1ヶ月間で約10日間の滞在をしたこともあってソラで綴れるようになりましたが。長い地名なので、地元の人は、省略形として空港コードでもあるABQをよく使うようです(以上、マメ知識でした)。

 そんな、どうでもいい余談で書き出したのは、いったいこの2試合のことをどう書いたものか悩んでしまうから。といっても、田臥選手が活躍しなかったというわけではなく、むしろ、かなり活躍。特に25日の試合では勝利を引き寄せたといってもいいくらい。地元ファンの間でもあっという間に人気選手となってます。

 しかし、問題はスタッツ。

-----愚痴警報。ここから先、ちょっぴり愚痴が入ってます----

 シーズンが始まって4試合。どの試合もスタッツに間違いが多くて、しかも試合終了後にもらうボックススコアとウェブに掲載されるボックス、さらには試合終了後に修正してオフィシャルスコアとなるボックスがそれぞれ微妙に違う。しかも、それはまた、私が自分で試合中にメモをつけているものともまたさらに違う。うーん、困った。いったいどれを元に記事を書くべきなのか。特に、田臥選手が活躍した25日の試合(第3戦)のスタッツがひどい。田臥のFGが、私のメモでは2/3(これは田臥選手自身の記憶とも合致)、試合直後に出たスタッツでは3/5、そして1日たってようやく出てきた「公式」スタッツでは1/5。

 混乱の元は、タルサやアルバカーキのようなDリーグが新設されたチームでのスタッツクルーが、これまでNBAのシステムでスタッツをつけた経験がないということ。クルー自体は、大学の試合などでスタッツをつけている熟練した人たちなのですが、それでもNBAのシステムは独特なので、入力の仕方やスタッツのつけ方に戸惑い、間違えているようです。本当ならもっとプレシーズン試合を数多く戦って、チームとしてもスタッフの側も「予行演習」をしてから本番に入るべきなのでしょうが、いくらNBA傘下といってもマイナーリーグ。そこまでは経費をかけていられなかったようです。しかも、せっかくアルバカーキで行われたプレシーズン試合だったのに、オフィシャルテーブルに電気が来ていなかったという理由でスタッツがつけられていなかったし。

 ま、これがほかのマイナーリーグなら、もしかしたらうやむやにボックススコアは出さずに終わらせるところかもしれないけれど(実際にABAではボックスを出してくれないチームも多かった)、そこはNBA傘下にあるDリーグ、最後には何とかつじつまをあわせて、「公式」のオフィシャルボックスを出さなくてはいけない。そこでビデオを一から見直してやってくれればいいのですが、さすがにそこまで時間はかけていられないらしく…。こればかりは、シーズンが進むにつれて改善されるのを待つばかり。

 そんなわけで、各媒体、どの時間で書いたか、どこまで公式にこだわるかによってスタッツが違ってきてます。こういった現場の事情は、雑誌媒体ではあまり詳しく説明するだけの誌面の余裕もないので、愚痴交じりでしたが、あえてこの場で書かせてもらいました。

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P1100488s  さて。とりあえずここは私の私的なブログでもありますし、公式スタッツはいっさい無視して、私のメモを元に第3戦、第4戦の田臥選手のスタッツを書いておきます。ただし、第4戦に関しては、誰が放ったか見落としたミスシュートが2本くらいあったので、もしそのうちの1本が田臥選手なら、公式の2/7が正しいのかもしれません。

◎11月25日 アルバカーキ 95 - タルサ 88
田臥勇太
 10分56秒出場
 4得点(FG 2/3)、6アシスト、1リバウンド、2スティール、0ターンオーバー、1ファウル

◎11月27日 アルバカーキ 93 - タルサ 82
田臥勇太
 17分34秒出場
 4得点(FG 2/6)、2アシスト、1リバウンド、1スティール、0ターンオーバー、2ファウル

 クーパーHCの田臥の起用は、3番手、あるいは2番手のポイントガード。短い時間でテンポを変えさせ、ディフェンスでミスマッチを突かれて連続してやられてしまったり、守りに入りたい場面では田臥を下げる、といった感じ。それだけに、ほかのポイントガード(テイラー、ブランド)に比べて出場時間は少なめですが、効率よくインパクトは残しています。きょうの第4戦では、少々強引すぎるくらいに攻め込む場面もあって、結局はミスしたりブロックされたりで裏目に出てしまったのですが、少し前まで「攻撃の積極性がない」と言われていただけに、そういう姿勢が表に出てきただけでも変化、成長と私は感じました。
 本人もブログで書いてましたが(これ、実は試合直後に私が聞いた質問に対してのコメントでもあったのですが)、活躍できているだけにもっと試合に出たいという気持ちもあるでしょう。でも、考えようによっては、マイナーリーグにいながら、NBAにあがったときと同じ役割でプレーできているということは、マイナーリーグではかなり幸運なことだとも思います。何しろ、NBAに行けばSGあるいはSFなのに、マイナーリーグではインサイドをプレーしなくてはいけない選手も大勢いますから。
 開幕から4試合を見て、何よりも印象的だったのは、田臥本人がマイナーリーグであるということで気落ちすることもなく、明るく前向きにプレーし続けているということ。ベンチに座っている間のタイムアウトでも率先してベンチから出て、味方選手をハイファイブで迎えていて、見ていて気持ちいいくらい。そういう姿勢というのは見る人は見ているはず、と思います。

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2005年11月22日 (火)

KJ、NCAAデビュー

 KJこと松井啓十郎選手(コロンビア大)のNCAAデビュー戦を取材に行っていたデトロイト在住ライター、青木さんから、2戦目のレポートが届きました。開幕戦については、掲示板の[2818]でHarrisonさんがレポートしてくれていますので、興味がある方はそちらをどうぞ。また、青木さんのコロンビア大開幕戦レポートは、12月発売の月刊バスケットボールに記事が掲載される予定だそうです。

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青木崇レポート

2005年11月19日(土)
Columibia Classics: Troy State vs Columibia  at Levien Gym (Columbia University)

 コロンビアは開始早々8連続得点を許すも、KJがキャリア初の3Pシュートを決めると、その後3本連続で成功させ、前半だけで12点。コロンビアはあっという間に逆転し、2ケタ得点差をつけた。後半、トロイは12本の3Pシュートを決めても猛反撃するも、73対71で逃げ切り。KJは後半、3Pシュートを1本も決められなかったが、速攻からレイアップを決めて、この試合14点。また、5本のアシストを決め、勝利に大きく貢献。34分間の出場は、チーム2番目に多かった。

KJs KJのスタッツ
34min  FG 5-12  3P 4-11  2reb  5ast  1stl  1to  14pts

試合後のコメント
「(放った3Pシュートの)2本目で成功し、2、3、4本目と入ったんで、これはいけるなという感じだった。(アシスト5本は我ながら)すごいですね」

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2005年11月19日 (土)

Dリーグ開幕 (3) 運営編

P1100335s  こうやって同じチーム同士、移動せずに2試合続けてやるのは経費節約の面が大きい。いくらNBA傘下とはいえ、マイナーリーグだから削れるところは削る必要がある。
 チームだけでなく審判も2試合とも同じクルーだった。そのうち一人は、5年前に現役を引退したばかりのヘイウッド・ワークマン(ペイサーズetc)(写真左端)。この数年サマーリーグで吹いているのを時々見かけていたので審判修行をしているのは知っていたけれど、こうやってDリーグ審判として頑張っている姿を見ると感慨ひとしお。

 ところで、試合の雰囲気はよかったものの、タルサは新チームということもあって運営面ではまだもう一歩のところもあった。試合中にクロックも得点も全部0に戻ってしまって試合が中断する場面もあったのはまぁ愛嬌として、特に改善が求められるのがスタッツ関係。NBA式のスタッツつけの経験がないからなのか、最初の2試合のスタッツはかなり大変なことになっていた。特に初日はひどくて、試合後に辻つまあわせのためにスタッフがスタッツとにらめっこすること1時間以上。出てきた最終公式スタッツを見たら田臥の出場時間が微妙に変わっているし、得点も4点から5点に変わっていた(2本目のシュートが3ポイントに変更となった。試合中は2点しか加点されていなかったのに)。さらにランニングスタッツを見ると、実際の試合とまったく違うところもある。推測するに、試合中に入力するのが追いつかなくなり、別に手書きでつけていたスタッツをもとに埋めていったのではないだろうか。それくらい、ランニングスタッツは全然違っていた。
 2試合目はさすがに少し慣れてきたのかもう少しましで、試合後に公式スタッツが出るまでに要した時間は30分くらい(試合終了とほぼ同時にに出るNBAから比べるとかなり遅いけれど)。スタッツでは細かいところは微妙に違った(たとえば田臥のスタッツに関しては、明らかにアシストというアシストが1本落ちていた)けれど、1試合目に比べると許容範囲。(←と思うのは、アメリカに住み始めてだいぶおおざっぱになった私だから?)
 NBAが後ろ盾についているだけに、こういった面はすぐに改善されるだろうと期待はしているけれど、それでも最初のうちは公式サイトに載っているスタッツといえども全面信頼をしないほうがよさそうだ。

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Dリーグ開幕 (2) 試合編

P1100248s  試合は2日連続で行われ、1勝1敗。1戦目は66ersがまったく力を出し切れずサンダーバーズの圧勝、2試合目は接戦の末に地元66ersが勝利。マイケル・クーパーHCは自ら「私はオーソドックスなコーチではない」なんて言っていたけれど、ときには思いつきでラインナップを組んでいるのではないかと思うようなところもあって、もしかしたらアメリカの長島さんかも? 観察のしがいがある人(失礼~)です。

P1100380s  サンダーバーズは全体に小型だけど機動力で勝負というチームのはずなのだけれどクーパーHCはそれでも実はサイズ不足が気になっていたのか、2試合とも田臥の出番は後半のみで、前半は本来SGの選手をPG控えに使っていた。田臥は後半だけの短い時間のなかでもシュートを放って決めてきて、これは今季成長した点。まだ完全にチームがかみ合っていないだけに、傍目にはまだ苦労しているようにも見えたが、本人は「ちゃんとオープンになればボールも戻ってきますよ」とけっこう前向きだった。
P1100408s  ちなみに田臥といっしょに写っているのはどちらも元NBA選手の息子。左は66ersの先発ポイントガード、ジョン・ルーカス(ジョン・ルーカスの息子)。地元オクラホマ州大の選手だっただけに、地元ファンの間では一番人気。右はサンダーバーズでチームメイトのTJ・カミングス(テリー・カミングス息子)。

◎NBADL開幕シリーズ
   於・オクラホマ州タルサ
11/18 アルバカーキ 83 - 70  タルサ
 田臥 7分52秒出場・5点(FG 2/3 うち 3pts 1/1)

11/19 アルバカーキ 99 - 102 タルサ
 田臥 14分4秒出場・2点(FG 1/2)・3A・1S・1TO

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Dリーグ開幕(1) 会場編

P1100352ss  11/18、Dリーグが開幕。タルサ(オクラホマ州)で行われたアルバカーキ・サンダーバーズの開幕2連戦を取材してきた。(左はDリーグの公式ボール)

 余談だが、タルサといえば、田臥が大学のときにYahoo! Invitationalの決勝で対戦した大学。当時のヘッドコーチは田臥のプレーを見て、「成長を続ければNBAだって夢ではない」と言った人だった。別にこっちから「NBAに入れると思いますか?」と聞いたわけでもなく、向こうから自主的に出てきたNBAの言葉に、こっちのほうが驚いてしまったくらいだった(詳しくは当時のscrapbook参照)。

P1100240s  ホームチーム、タルサ・シックスティシクサーズの本拠地は築70年という古いエクスポスクエア。どんなにボロい会場かと思ったら、外はレンP1100249sガ造りで雰囲気があるし(外壁にシクスティシクサーズのロゴを明かりで照らし出していた)、中もサイズも手ごろ、照明も明るくて見やすそう。シックスティシックサーズの名前の由来、「ルート66」(国道66号線)の歌が、いろんなバージョンで流れていた。エキジビションゲームでちょっと心配になったDリーグだけど、ここまでは期待以上。
P1100370s 選手紹介も、会場の電気を落として、スポットライトとスモークで派手に。サンダーシクサーズはビジターチームなので、この間は各選手、ストレッチをしたり、その場で身体を動かしたりと試合の準備に余念がない。
P1100330ss  田臥が大学のときも、どんなに田舎町の試合を取材に行っても日本人ファンが見に来ていて驚いたものだけれど、今回のタルサの試合も何人もの日本人ファンが見に来ていた。現在留学中という能代工時代の後輩もいて、試合後に田臥選手に会いに来ていた。

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2005年11月12日 (土)

プレシーズン試合

 アルバカーキ・サンダーバーズのプレシーズン試合を取材。Dリーグ8チームのうち4チーム(オースティン、フォートワース、タルサ、アルバカーキ)がアルバカーキに集まり、2試合がいっぺんに行われました。実はこの4チーム、実はオーナーが同じ人です。そのあたりの話は、また機会をあらためて…。

 試合は今ひとつピリっとせず、バタバタとした試合でした。正直言って、この1週間見ていた練習のほうがまだ面白いくらい。今はまだヘッドコーチのマイケル・クーパーも各選手がどんな個性や才能を持っているか見極め、どうやって17人→12人にカットするかを見定めていた時期だったので、しかたないのかもしれません。試合後のクーパーも意外なほど前向き。開幕まであと1週間の練習でどれだけチームを作ることができるのか、お手並み拝見です。 

 試合運営自体もいろいろと不備が多く、メディア席なし、ボックススコアもなし(スコアラーズテーブルのところに来るはずだった電気が来ていなかったとか)、24秒クロックも作動せず。2週間後の開幕戦までには修正するとのことでしたが…。ま、私もこの数年マイナーリーグ、特にABAを取材してきて、こういった運営の拙さには慣れ、だいぶ辛抱強くなりました。こういうのを経験すると、取材しやすい環境を作ってくれているNBAがとてもありがたく感じます。取材する側の私でそう感じるのですから、プレーする田臥選手はよけいにそういったことを感じていることでしょう。

P1100228s  運営の拙さといえば、この写真、どこかおかしいと思いませんか? そう、両チームとも同じような色を着ているのです。ユニフォームは背番号が間に合わなかったのか、練習ウェアを着ての試合だったのですが、こちらも急遽背番号をつけたようで、どうやらどちらのチームも濃色のほうに背番号をつけて、リバーシブルのシャツの裏側(白)に背番号を付けていなかったのでしょう。田臥選手も、顔を見ないと味方かどうかわからなくてやりにくかったとのこと。そりゃ、そうでしょう。こんな状態で進めてしまうところが、何とも大雑把なアメリカン。

 それはともかく。きのう12人(NBAチーム、フェニックス・サンズからアサインされているディジョン・トンプソンは除く)までカットされたロスターですが、開幕の前日、11/17の東時間午後5時までにあと2人がカットされます。あまりこういうことはしないのですが、ズバリ予想してしまうと、田臥選手は10人枠に残るはず。おそらく2番目のポイントガードとなるでしょう。ただし、控えだからと言って必ずしも先発のポイントガード(マーカス・テイラー)のほうが田臥よりもNBAに近いとも思いません。Dリーグのドラフト9巡目まで指名されなかったということで、ちょっと拍子抜けした人もいるのではないかと思いますが、実際に田臥より早い順位での指名選手でも、サイズばかり大きくて、まったく使いものにならない選手もいたり(一人だけ先にカットされました)、ドラフト順位とNBAへの距離はあまり関係ないな、というのが実際にプレーを見ての印象。

 というところで、私は明日いったんLAに戻ります。激動のマイナーリーグの取材も面白いのですが、そろそろNBAの取材もしなくては。…と、その前に原稿だ。

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アルバカーキ

P1090832s

 LAクリッパーズを解雇された田臥が、NBA復活を目指して修行する場として選んだのは、Dリーグ(NBAディベロップメント・リーグ)。ヘッドコーチが元レイカーズのマイケル・クーパーで、少しばかり高地のこの土地の利を生かすためにも走るバスケットボールをしようとしているそうで、その意味でも田臥にはぴったり。左の写真は11/8メディアデーでの、マスコットとの記念撮影。サンズ、ジャムに次いで、今度もオレンジがチームカラーです。背番号は13なのですが、この日はまだ番号自体は間に合わず。番号なしのユニフォームです。

 今回、アルバカーキの町は私も初めて訪れましたが、あちこちで工事をしていたり、新しい建物があったりと、開発、発展しつつある街という印象を強く受けました。ネイティブ・アメリカンのコミュニティがまわりにあり、そういった文化の影響も感じます。
 ところで、田臥選手も、私も、ニューメキシコ州を訪れるのは初めてではありません。BYUH時代に、アルバカーキから南に車で4時間ほどいったところにあるシルバーシティという小さな町にあるウェスタン・ニューメキシコ大との試合があり、私も取材に訪れたのです。街道沿いの小さな町で、日本食レストランなんてもちろんないし、ホテルも名前を聞いたことがあるのはホリデーインくらい。もちろん飛行場はないので、私はテキサスのエルパソから、BYUHの面々は確かアリゾナ州ツーソンから車で町に入っていた覚えがあります。
 あの町から比べるとこのアルバカーキは国際空港もあるし、都会です。まだ発展途中なので、きれいなショッピングモールなのに中はからっぽ、なんていうこともあるようですが。それでも、まともな食事できる日本食も見つけたし、これでいつでも取材に訪れても大丈夫。LAから直行便なら2時間という距離も助かりました。

 し・か・し。ひとつ注意しなくてはいけないのが、この町、とっても乾燥しているんです。これまで私が訪れたことがあるアメリカの町の中では一番といっていいほど。LAもかなり乾燥している土地だと思うのですが、ここはその10倍は乾燥してます。危険なくらいの乾燥度で髪も肌も、そして口の中まで乾燥してバリバリ。水をがぶがぶ飲んでます。次に来るときにはローションとモイスチャーライジング・コンディショニングを大量に持ってこなくては。

 田臥選手の近況については、近いうちにまた別のエントリーでアップします。

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2005年11月 4日 (金)

ルーキー

 いよいよNBA開幕。と同時に始まったのが、リーグの新しい服装規定。開幕前から、いろいろと話題になっていましたが、実際に始まってみると、そんなにキツキツ規定でもなく、別に細かな違反を取り締まる風でもない。たとえば、OKな服の中には「デザイナージーンズ」というのがあるのですが、気持ちはわかるんだけど、厳密なところ、いったい何をもって「デザイナージーンズ」というのか…というのが今ひとつわからない。開始1週間にして、すでに穴あきジーンズを履いていたり、ヨレヨレのジーンズを履いている選手も見ました。この先、選手がなし崩しにしていくほうがひどくなるのか、それに見かねてリーグが取り締まりを厳しくしていくのか、注目です。

P1090625s  そんな中、服装規定を厳密に守ろうという姿勢が見えたのが、クリッパーズのルーキーたち。タキシードに蝶ネクタイという正装で試合にやってきました。
 …というのはウソで…いや、タキシードに蝶ネクタイ姿は本当なのですが、これはいわゆるルーキー・イニシエーション。ひょんなことから、先輩選手たちに、「ホーム開幕の11/4にはタキシードを着て来い!」と言われたらしく、そろってカラフルなタキシードをレンタルしてきてました。
 右の写真では後ろを向いてしまっていますが、真っ赤なタキシードのシングP1090640s ルトンは一番ノリがいい。このタキシードを着るとコメディアンのようにも見えます。なぜか廊下で踊ってました(彼の服装、厳密に言えば帽子でアウトですが、一応カラーコーディネイトもされていたし見なかったことにしましょう(笑))。
 コロレフとユーイングのパウダーブルーもよく似合ってます。ユーイングの先輩@デューク大は、ユーイングがライバル校のカラーを身につけていることに不満だったようですが。3人とも、シューズが真っ白のエナメルというのもステキ。

P1090649s   …ん? 最後の1人、ドングはなぜかふつうのスーツで、タキシードは手に提げて、ロッカールームから出てきました。それを目ざとくみつけたマゲティ、「それじゃダメだ。行きも帰りもタキシードを着なきゃいけないって言っただろ」と注意。ドングは、「僕のタキシードだけサイズがあわなくて、すごく短かかったんですよ。ちゃんとしたサイズだったら着て帰るんだけど、勘弁してくださいよ」と弁明、怒った(フリをした)マゲティも、少ししたら「よし、わかった」と引き下がって、一件落着。

 田臥がクリッパーズの開幕ロスターに入っていたら、このタキシードを着ていたのかな~。実際には2年目のはずだったので着なくてもOKだったかもしれないけれど、サンズに在籍したのが1ヶ月余りだけだっただけに、もしかしたら、「お前はまだルーキーだ」と言われて着ていたのかも…? ちょっと見てみたかったなぁ。

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2005年11月 1日 (火)

「解雇」

 某雑誌の担当編集者から言われて、そうかと思ったのだが、「解雇」という言葉は日本の人にとってはすごく決定的に聞こえ、そこで終わりという印象を受けるらしい。NBA周辺にいると、「解雇」というのはかなり頻繁に聞く言葉で、たとえ解雇された選手でも、すぐに他チームからオファーをもらうことは日常茶飯事、同じチームが1ヶ月くらいして状況が変わったからと復帰することもある。もちろん解雇されずに契約を続けられるほうがいいけれど、解雇されたからといって、今シーズンに田臥がNBAのユニフォームを着る可能性がなくなったわけでも、ましてや田臥のNBA挑戦が終わったわけでもない。

P1090621s  きのう、10/31の昼過ぎ。練習後、クリッパーズの練習コートがあるスポーツジムのカフェテリアで、コーチとフロント陣がランチを食べながらミーティングを始めた。LA時間で午後3時までにリーグに提出しなくてはいけない開幕登録ロスターを話し合うミーティングだ。もっと端的に言えば、田臥勇太かアンソニー・ゴールドワイヤのどちらを「解雇」し、どちらを残すかを決めるミーティングである。この間、選手たちは新シーズンに向けて服装規定などの説明を受けるミーティングで別の部屋へ。田臥とゴールドワイヤの二人ともこのミーティングには参加。どちらかが直後に解雇を言い渡されるわけで、それなのに新シーズンに向けてのミーティングっていうのも皮肉な状況だなぁと思いながら、私たち報道陣はそのミーティングが行われている部屋の外で待っていた。

 1時半過ぎだっただろうか。選手のほうのミーティングが終わった。コーチたちはそちらが終わるのを待っていたようで、ヘッドコーチのマイク・ダンリビーがすぐに立ち上がり、練習コートのほうへ。田臥とゴールドワイヤもコートのほうへ。私たち報道陣がコートに来るように言われたときには、すでに田臥もゴールドワイヤもロッカールームに戻ったあとだった。広報のロブが、少し悲しそうな顔(に見えた)で、「ユウタをカットすることになった」と教えてくれた。すぐにダンリビーがやってきて、理由を話し始めた。

「最後のロスターを決める決断はとても難しいものだった。ユウタはとてもすばらしいプレシーズンを送った。最後には、彼がどういうプレーをしたかではなく、経験が浅いということによってこういう結論となった」

 クリッパーズのポイントガードの状況については10/24に書いたとおり。カセルが35歳の、いつ故障で休まなくてはいけなくなるかもしれない選手でなく、脂が乗った30歳前後の選手だったら、あるいはユーイングがルーキーではなく3年目くらいのNBA経験を積んだ選手だったら、3番目としては試合のテンポを変えられる田臥のほうが選ばれたかもしれない。あるいは、今年のクリッパーズがプレイオフを本気で狙っているチームでなければ、安全パイのゴールドワイヤよりも伸びる可能性がある田臥をとったかもしれない。でも、今のクリッパーズはゴールドワイヤを選んだ。昨季のサンズで、田臥ではなくベテランのハワード・アイズリーが解雇となった(アイズリーは3番手となるのを嫌がったため)ように、逆のこともある。NBAを見ていれば、こういうことは珍しいことでも何でもなく、日常的に起こること。

P1090554s  コーチが話し終わると、その間コートの入り口の外で待っていた田臥が入ってきた。カットされた直後ということで話を聞きにくいかと思っていたけれど、その心配は無用だった。本人はそれほど暗い表情というわけでもなくサバサバした感じ。
 「お待たせして、ちょっと残念なニュースですみません」と言って、取材を始めた。やれることはやったという充実感、解雇にはなったけれど、自分が思うようなプレーができて、それを認めてもらうことができたという満足感が、そういった表情となったのだろう。実際、このプレシーズンでの田臥のプレーは、NBAのコートに彼の居場所があることを証明していた。傍目にみても、これで選ばれなかったらしかたがない、と思えるくらいの結果を出していた。

 2年前のキャンプでナゲッツからカットされ、一年前の12月にはサンズからもカットされた。その2回とは違うかと聞くと、田臥は「全然違います。すごく前向きです」と答えた。「サンズのときはかなりへこみましたけれど」と言いながら、田臥は笑った。解雇後の会見で笑う余裕があるとは! 
「(今年は)可能性があるというか、やっていける自信、なんとかなりそうな感じ…今回すごく手ごたえを感じたんで。残れればベストでしたけれど、次またこのステージでできるように頑張るしかないですね」

 きょうからNBAは開幕。残念ながら開幕ロスターの中に田臥の名前はないけれど、彼がNBAのユニフォームを再び着る日は、近いうちに必ずやってくる。

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