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2005年12月の記事

2005年12月26日 (月)

イオラニ・プレップ・クラシック

P1110459s  クリスマス前の12/19-23、観光客であふれるホノルルまでひとっ飛びしてきた。…といっても休暇ではない。Iolani Prep Classic(イオラニ・プレップ・クラシック)という高校トーナメントに出場する伊藤大司選手(モントロス)の取材である。
 ハワイに行くのはこれで4回目。シドニー五輪前のUSA代表の取材、田臥選手がBYUHにいたときのYahoo Invitational トーナメント取材、そして2年前と今回のイオラニ・クラシックと、全部取材。海が見える部屋だったので部屋から写真を撮ってみたものの、実際にはほとんどビーチに出ることもなく…。まぁ、この大会自体がかなり見ごたえがあるものなので、ビーチよりも試合…!

P1110147s  今シーズンのモントロスは全米でもトップクラスのケビン・デュラント(左の写真で右にいる背番号3)を加え、シーズン前の全米ランキング1位(USA Today紙)。しかし、最初から1位として全米のチームから標的にされるのはかなりのプレッシャーだろうなぁと思っていたら、大会最後にそれが出てしまった。その話は最後に。

 イオラニ・クラシックについては2年前に取材したときのscrapbook記事を参考にしてください。今年は米本土から6チーム+ドイツの高校チャンピオンチーム+ハワイ8チームが招待され、イオラニとあわせて16チームで行われました。モントロスを筆頭に、トップ25にランキングされている高校が4チーム、モントロス(メリーランド)、フェアファックス(カリフォルニア)、アーリントン・カントリー・デイ(フロリダ)、マウント・バーノン(ニューヨーク)いて、順当にこの4チームが準決勝に進んだのだが、そこにくるまでにはオーバータイムあり、接戦ありで、ランキング校といえども手は抜けない。

 モントロスは、1回戦の対カフクは88対45の楽勝、2回戦はホームチームのイオラニ相手で、前半で余裕のリードをとったものの後半はほとんど互角の勝負となり、53対31と前半の貯金があった分で逃げ勝ち。3回戦は全米ランキング7位のアーリントン・カウントリー・デイ(ACD)相手で、出だしにACD)がゾーンで守っていた間に外からポンポンと決めて、その分の貯金で48対36と、これまた逃げ勝ち。
 そして決勝の相手はカリフォルニアのフェアファックス。日系人のキタニコーチのもとで、公立高校ながら毎年強豪チームを作ってくるチームだ。実はこのフェアファックスは、モントロスにとっては宿敵チーム。3年前、ほとんど負けなしだったシーズンに唯一の黒星をつけたのもフェアファックスだったし、2年前のイオラニクラシックでも同点での4Q終了間際に3ポイントを決められて競り負け。連敗中で、コーチも選手も今年こそは勝つ、との意気込みだった。
 しかし、結果は38対39と1点差で負け。相手チームのエース、ジャレン・シップの勝負強いシュートにやられた。このシップ、カリフォルニアでは有名なバスケ兄弟で、2年前に決勝3ポイントシュートを決めたのもジャレンの兄のジョシュア・シップ(現UCLA)。さらに上の兄のP1110447s ジョー・シップは現在、ABAアルバカーキー・サンダーバーズで田臥勇太のチームメイト。2年前に取材したときには、確か弟ジャレンが一番才能があると言われていた。この大会、あまり活躍していなかったのだが、大事なここ一番の試合できっちり決めてくるところはさすが。
 それに比べると、この試合のモントロスはその脆さを垣間見せてしまった。そういえば、デュラントの前チーム、オークヒルのヘッドコーチはこの夏、去っていくデュラントのことを"Too nice"(やさしすぎる)と描写していたっけ。失う選手に対する負け惜しみかなとも思ったけれど、試合を見ていると確かにもう少し激しさというか、アグレッシブさがほしい。
(右の写真は大会のMost Outstanding Playerに選ばれたデュラントと、Most Valuable Playerに選ばれたシップ)

P1110333s  伊藤大司選手は、チームのキャプテンの一人としてよくチームをまとめ、リードしていたのだが、最後の試合ではシュートがまったく入らず、FG0/7。かなり悔しい結果となってしまった。シーズンはこれからまだ長いので、この悔しさをシーズンで晴らしてくれることを期待してます。

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2005年12月24日 (土)

コンンビア大@ノートラダム大

 在デトロイトのライター、青木さんが、車で片道3時間の道のりをかけてノートラダム大(インディアナ州にあります)までコロンビア大の松井啓十郎選手の取材に行ってきたそうで、レポートを送ってくれました。ビル・レインビアやジョン・パクソンなどの選手を輩出した名門、ノートラダム大との対戦です。
 私も、クリスマス明けにはNYマディソンスクエアガーデンでの2試合の取材に行ってきます。

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12/23 Columbia at Notre Dame ●68-75

松井啓十郎
 出場時間22分、1点(FG0-3、3P0-2、FT1-2)、1アシスト

 前半はほとんどシュートを打つチャンスがなく、残り45秒に左ウイングからNBAの3Pラインのうしろからシュートを打つもミス。2本目は後半最初のオフェンスで、左ウイングからキャッチ&シュートが右にずれてミス。3本目はバックドアからフリーになるも、リバースレイアップをミス。この試合で放ったシュートはこれだけだった。
 フリースローについては、8点リードされて迎えた残り1分4秒、ドライブの後、ヘッドフェイクで相手を交わし、シュートを打った際にファウルを奪ったもの。1本目を決めるも2本目は長くミス。結局得点はこのときの1点に終わった。

 試合は、コロンビア大が前半終盤までFG成功率50%を超えていた。ベン・ワチュクがインサイドで得点源となり、速攻でも3度得点したことによって、ビッグイーストの名門相手に、何度か4点のリードを奪った。しかし、ノートルダム大は前半終了間際に逆転に成功すると、後半サイズで勝るフロントラインがインサイドを支配。コロンビア大がファウルを多発する一方、4年生PGのクリス・クインが3Pプレイとなるレイアップとゴール正面から3Pシュートを立て続けに決め、残り5分を切ったところで51対63と勝利を決定づけた。

 この敗戦により、コロンビア大の成績は6勝3敗となった。

KJ(松井)
「シーソーゲームをしているとき、アホなファウルが多かった。タフさが十分じゃなかった。勝てる相手だった。シュートが打てないのはわかっていた。フリースローをもらったときのドライブなど、ジャンパー以外のプレイをレベルアップしないといけない。課題がはっきりしました」

ジョーンズ・ヘッドコーチ
「シュートは決まっていたけど、ディフェンスがまったくダメ。だから、ファウルが多くなってしまった」

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2005年12月10日 (土)

ピッペン永久欠番セレモニー

 12/9、ユナイテッド・センターでスコティ・ピッペンの永久欠番セレモニーが行われた。前日には大雪が降り、当日は最高気温も零下とぐっと冷え込んだシカゴらしい気候。私も、LAに引っ越して以来、クロゼットにしまいこんでいた分厚いダウンのコートを持って取材に行ってきました。

P1100782s

 これは試合の約2時間前、開場前です。右側のゴールではブルズ選手がシュート練習をし、中央でラバブルズが、左端ではラバブルズに対抗(?)する人気チア、マタドアズが踊りの練習中。コートにはこの日のセレモニーのために、ピッペンの背番号である「33」の上にピッペンのサインがデザインされたシールが貼ってあります。

P1100787s P1100814s  左はセレモニー前のバナー。よく見ると、あいた空間の上にピッペンのバナーが丸められて準備万端になっているのが見えます。右はセレモニーでバナーを下ろしたところ。ジョーダンとフィル・ジャクソンの間という、とてもピッペンにふさわしい場所におさまっています。

P1100793s  これは少しわかりにくいかな。一番左端に、ひとつポツンとかけられているのは前GM、ジェリー・クラウスのバナー。実はこれ、フィル・ジャクソンの隣にかけられていたのですが、ピッペンのバナーをジョーダンとジャクソンの間に入れるためにひとつだけ横に動かされてしまったようです。写真右下、奥のほうにチラっと見えるのが4番のジェリー・スローン、その隣に10番のボブ・ラブのバナーなので、左上の写真と見比べれば位置関係がわかるかな。
 ちなみに、この永久欠番セレモニーにはクラウスの姿はなし。ピッペンが彼の出席を嫌がったなんていう噂もまことしやかに流れていて、まぁ、彼らの関係を考えるとそれもありえるかなとは思えるのだけれど、このバナー・ポツンはちょっと寂しそうで気の毒。果たして、後日、また配置を変えるのか、それとも次の永久欠番の番号が増えるまではこの「ポツン」状態が続くのか、この先ユナイテッド・センターに行く機会がある方はぜひ確認してきてください。

 セレモニーについては、雑誌の記事にも書くので、余談をいくつか。

* レイカーズ戦で永久欠番のセレモニーをしたというのは、レイカーズのヘッドコーチがフィル・ジャクソンだということを考えても一番ぴったりなタイミングだったのだけれど、それだけではない。ピッペン自身がこの秋にはレイカーズのトレーニングキャンプで特別コーチを務めていたのでレイカーズ選手たちにとっても関係深い存在。そして、2年前に引退するまでブルズでプレーしていたから、もちろんブルズ選手にとっても単なる過去の人というわけでもない。そんなわけで、ハーフタイムに行われたセレモニーは、両チーム選手ともにコートに出てきて見学していました。

* ピッペンの親友でもあるホーレス・グラントもセレモニーに駆けつけていました。何でも、今はカリフォルニア州サンタバーバラ近くに住んでいるそうで、引退生活を満喫しているとのこと。セレモニー出席のために前日にシカゴに来たのはいいけれど、ちょうど大雪に巻き込まれて夕方到着予定が夜中になってしまったのだとか。しかも到着後の空港にはタクシーのところに長~い列ができていて、「知っている限りのハイヤー会社に電話した。大変だった。雪のことはもう言わないでくれ…」と、ウンザリの表情。陽気なホーレスは未だにシカゴの取材陣の間でも選手の間でも人気者で、試合前はずっと廊下で多くの記者と立ち話。かつてチームメイトだったことがあるコービーも、ホーレスとはニコニコ嬉しそうに話をしてました。

* 東京アパッチのプログラムをピッペンに上げようと思って持って行ったのだけど、残念ながらピッペンに直接渡す機会はなく、なので、まずはホーレスに見せてみました。ピッペンと昔から親しい彼なら、ピッペン甥でアパッチの選手、ウィリアム・ピッペンのことも知っているかなと思って。昔、まだホーレスやスコティがブルズに入ったばかりで、ウィリアムがちっちゃな子供だった頃に会ったことがあるらしい。彼がバスケをしていることすら知らなかった様子で、「え、これがあのちっちゃかったあの子? 年を感じるな~」としきりと驚いていた。
 ちなみに、そのプログラムは試合後にコービーにあげた。コービーは「Dadのチームの? くれるの? Thank you, thank you」と大喜び。コービーはピッペン甥もいるチームだということも知っていたし、アパッチのことをお父さんからいろいろと聞かされているようでした。

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2005年12月 8日 (木)

bjリーグ初観戦

KIF_0860s  先週、私用で駆け足一時帰国していました。到着した翌日の3日午後に自由になる時間があったので、有明コロシアムでbjリーグ、大阪エヴェッサ対東京アパッチの試合を見てきました。取材というよりは、あくまで「見に行った」という感じです。時間がなかったこともあって、試合後もコーチの記者会見に出ただけで、選手の取材はせずに帰途につきました。
 試合後、いろいろな方から感想を聞かれて、その中には現場で働く関係者の方も何人もいて、新しいことを始めるなかで試行錯誤しながらも少しでもよくしていこうという姿勢を感じました。そういった姿勢を持ち続け、努力し続ける方がいる限り、bjリーグは一年後にはもっと魅力的なリーグになっていることでしょう。
 そういったことも踏まえて、参考になるかどうかわかりませんが、私の感想を書いておきます。1会場の、それも1試合を見ただけなので、この感想がbjリーグ全体にあてはまるわけではないと思いますし、一人の人間の感想にすぎません。そういう感想を抱いた者もいた…ということで。
 やや辛口ですが、これは、まだこれから発展していくという期待があればこそ書くことなので、そのあたりもご了承ください。

 実は、大分での開幕戦を見に行った方から、「すごく楽しかった」「NBAの試合のような雰囲気で盛り上がった」「海外までNBAの試合を見に行くより地元のbjリーグの試合を見たほうがいいと思う人が増えるかも」といった声を聞いていたので、期待していたのです。東京も開幕戦ではかなり華やかな演出をしたようでしたし。
 試合会場の有明コロシアムに到着すると、コロシアム外では3オン3が行われていたり、フェイスペイントをしてもらっているファンがいたり、フードコートやグッズ販売も行われていたりと、いい感じで賑わっていました。その場にいるだけで楽しい雰囲気です。ここでワクワク感を高めつつ会場内へ。

KIF_0862s  しかし、残念ながら外の盛り上がりとは反対に、会場内では物足りない思いを感じることばかり。会場が大きいために、2000人の観客でもスカスカに感じてしまうということもあるでしょう。開幕のときのようにライトを落としたショーがなかったということもあるでしょう。でも、それ以上に感じたのは運営面、試合面での物足りなさです。

 試合前からMCの方が中心になって応援の練習をしたりと頑張っていたのですが、そこまで努力しているのに試合中は空回り。その一番の原因は、MCの喋りや応援の要請が、試合の流れに関係なく、試合中のべつまくなしに続いているからだと感じました。ファンはまず第一に試合を見に来ているわけで、見たいのにその試合の流れと関係ない応援を求められたら引いてしまいます。
 会場に流れている音は、MC以外では、これまた試合の流れに関係なくバックグラウンドミュージックのようにずっと流しっぱなしの音楽だけ。笛が鳴ってもシュートが入っても、音楽もMCもお構いなしに流れ、話し続けています。バスケットボールは攻守の切り替えが速い、メリハリのあるゲームなのに全然そう見えない。
 これはMCの人だけの責任ではないと思うのです。きっと運営側が、試合中の盛り上げから情報提供まで、すべてをMCに任せてしまったのでしょう。これで試合を盛り上げるには無理があります。
 たとえば、私が座っていた席の近くに、初めてバスケットボールの試合を見に来たという女性がいたのですが、「今の何? 何で笛が鳴ったの? 何があったの?」の疑問の嵐。笛が鳴ったときに誰がファウルだったのか、あるいはどんなバイオレーションがあってポゼッションが変わったのか、さらにはシュートを決めた選手が誰なのか、タイムアウトはどっちがとったのか、そういった情報がまったくわからないのです。たまにMCの方がプレイに言及していたので、きっとそういう役割も彼に任されているのでしょうが、これを全部一人でやるのは無理。MCを使う今の形でやるのなら、そういった基本情報をアナウンスするPAアナウンサーが別に必要。PAが入れば、それだけMCの方がのべつまくなしに喋る必要もなくなるし、さらに音響ももっと入れていけば、メリハリも出てくるというもの。一人ですべてやるのは無理。会場進行もチームワークでやらないと。

 そして肝心の試合。以前から「bjリーグはレベルが低い」と言う声が届いていましたから、いったいどれくらいのものなのか、お金を払って見る価値がある試合なのかということも注目していました。
 実際に見てみて、確かにレベルは低いのですが、個々の選手のレベルについては正直、特に気になりませんでした。気になったのはチームプレーのレベルの低さ。たとえばディフェンスでも、一人マークが抜かれると誰もヘルプに出ない。オフェンスでもチームで攻めているというのを感じられない。それぞれが個々にプレーしていて、まるで寄せ集めのピックアップゲームのようなのです。さらに、ファウルを吹かれることを恐れているのか、インサイドに入り込んだ選手に対してはディフェンスをするよりも避けてしまっている選手が多い。そうやってディフェンスが甘いこともあって、全体のシュート確率は悪くないのですが、あまり見ごたえがあるとは言いがたいのです。
 たとえば背が低いアパッチ相手にエヴェッサの選手はかなり楽々とシュートを打ってきます。それはしかたないとして、アパッチのプレーをみていて背の低さを逆手に取った作戦を取っているとはとても思えず。終盤にアパッチが追い上げたのですが、それもアパッチが何をしたというよりは、エヴェッサの自滅のようにも見えました。

 こうして考えると、私が物足りないと感じたことの原因は、運営面、試合面ともに、チームプレーがないこと、メリハリがないこと、頑張っているのにから回りしていると、共通したキーワードが浮かんできます。どれも、十分に改善できる面です。
 すべてを一から始めるということは大変なことだし、それだけにまだ発展途上なのだと思います。次に見る機会があるときに、こういった面がどれだけ改善されているのか、どう発展しているのか、期待もこめて感想を書かせてもらいました。

 ちなみに、アメリカに戻ってすぐに、大阪で大阪エヴェッサと新潟アルビレックスの試合を見たという人から連絡をもらったのですが、「すごく楽しかった」「JBLよりも見ていて楽しい」とのこと。会場の雰囲気が違うだけで、試合自体がもっと魅力的なものとして見えるのかもしれません。

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