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2006年2月 6日 (月)

スタッツ

P1120179s  左の写真は、田臥選手のブログを読んでいる人にはおなじみ、サンダーバーズ名物(?)罰ゲーム・ダンス。シューティングゲームをして、負けたチームはダッシュをするか、踊りながらハーフコートまで進むか…という選択肢を与えられ、みんな踊るほうを選ぶ…っていうヤツね(田臥選手のブログの11/22と12/21参照)。この日も田臥選手のチームは勝ってしまい、残念ながら田臥選手のダンスは見ることができず。それにしても、ティエレ・ブラウン(左手前)はどう見てもダンスという華やかな響きとは縁遠い格好。頬っかむりでもしたらドジョウすくいでも踊っているかのような…。そういえば、田臥選手が、ティエレ・ブラウンの雰囲気がサム・カセルそっくりと言っていたっけ。お喋りでいつも口を動かしているところが…ということだったけれど、このP1120204s格好を見ても何となくカセルに通じるところがあるかも。
 陽気なサンダーバーズの面々のこと、踊るのは罰ゲームのときだけではない。右は練習後に円陣を組んだところなのだけど、なぜかダンス大会のように交代で真ん中に入って踊ってる。何かの説明をするために円陣に近づいた女性スタッフまで、選手に囃し立てられて円の中央で踊らされていた。


 さて、そんなチームの雰囲気も伝えたところで、少しマジメに以前に掲示板で触れた、「スタッツだけではわからない」という話についても書いておこう。

 サンダーバーズでの田臥選手に関しては、月刊バスケットボールに記事を書くために、基本的に月に一回取材に行っている。その間の、実際に見ていない試合はスタッツでチェックして、気になる試合については取材したときに本人やヘッドコーチのマイケル・クーパーに話を聞くようにしているのだが、スタッツだけで思い描いていたことが事実とはまったく違っていたということもよくある。

 たとえば、田臥がシーズン最多得点(15点)をあげた1/31の試合。シュートもそれまでよりやや多めの9本放っていて、そのうち6本を決めている。ちょうど、コーチから「もっとシュートを打っていけ」と言われたあとだったし、その直前、2試合故障で休んでいるときに先発のティエレ・ブラウンが思い切りよくシュートを打つのを見て開眼したのかと、スタッツを見ながら想像していた。
 でも、本人にそう聞いたら、「いや、全然」ときっぱり否定されてしまった。「むしろ(久しぶりの試合で)体力的にいっぱいいっぱいで、シュートに行こうとは思っていなかったし、無理せずに体力戻すつもりで出て行ったんです。そしたら、たまたま速攻でチャンスがあったので」とのこと。
 シュートにアグレッシブなティエレ・ブラウンの加入が刺激になったのではというのも、そういうわけでもないようだった。これは、私も実際に試合を見てわかったのだけれど、ティエレはあまりに自分で攻めすぎ。マイナーリーグ・レベルでは得点力があるほうだから、最後のところの辻褄はあわせてしまうのだけど、実際には試合を壊している場面も多い。トリプルダブルを記録した(つまり、アシストも10本あげた)試合ですら、試合後にクーパー・コーチから「もっとパスをしなきゃだめだ」とダメだしされていたとか。

 そういう話を聞くと、本当にスタッツだけではわからないものだと思う。かといって、マイナーリーグの選手にとってはスタッツがセールスポイントだという面も無視できない。
 そう思って、NBAのスカウトに、実際にマイナーリーグ選手をスカウトするときにどれくらいスタッツを見るか聞いてみると、「スタッツよりは、スキルやハッスルといった面を重視する」「スタッツは見るけれど、1試合あたりの得点はさして重要ではない」という答えが返ってきた。マイナーリーグから選手を呼ぶ場合は、何か具体的な役割を期待していることがほとんどなので、その役割に合うかどうかが一番大事で、マイナーリーグからNBAに上がる選手に得点を期待することはほとんどないので、得点だけあげているような選手は逆に敬遠することも多い、とも。

 それじゃスタッツを上げることは全然考えなくてもいいのかというと、そう簡単なことでもない。この話は書き始めると長くなってしまうのだが、アメリカに出てきた日本人マイナーリーグ選手たちはたいてい、「個人スタッツを上げるプレー」と、「チームの勝利により貢献するプレー」の間で一度は壁にぶち当たる。両方がイコールの場面ならいいのだけれど、相反することも多いだけに悩むのである。特にABAや、さらに小さなマイナーリーグの場合、NBAスカウトが実際の試合を見に来ることが少ないので、インパクトのある数字をあげることも必要になってくる。その数字を履歴にして、NBAスカウトに実際見てもらえるようなリーグに上がらなくてはいけないのだから。

 その点、DリーグはNBAスカウトが見に来るし、NBA TVで放映するなどビデオ映像で見てもらえる機会もある。スタッツも大事かもしれないけれど、それ以上に、チームの中でどれだけ機能しているか、自分の持ち味を発揮できているかということが大事になってくるのだ。海を越えた日本で応援しているファンはどうしてもスタッツで一喜一憂してしまうのは当たり前のことだとは思うけれど、スタッツだけではわからないことも多いということだけは頭の隅に置いておいてほしい。

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コメント

楽しそうなバツゲームですね。(見る側は)
恥ずかしがり屋さんの選手がいたのなら、辛いかもしれませんが。
田臥選手はどんなダンスをするんでしょう?
いつか、見たいです。

投稿: クニー | 2006年3月28日 (火) 22時04分

やるほうも楽しそうでしたよ(笑) こういうところで楽しめるくらいでないと、アメリカでのマイナーリーグ生活はやっていけません。

投稿: 陽子 | 2006年3月30日 (木) 10時21分

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