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2006年6月の記事

2006年6月28日 (水)

NBAファイナル・レポート(9) 18年ぶりの優勝

P1130663s  左は優勝が決まったファイナル第6戦前のパット・ライリー。このとき、ライリーは「7戦のことは考えていない。スーツは1着しか持ってこなかったし、ネクタイもこの一本しか持ってこなかった」と言っていた。もし今夜の試合に負けたら7戦の服はどうするのか、と聞かれ、「そのことは考えてもいない」ときっぱり。…というわけで、証拠写真として左の写真を撮ったわけなのだけれど、結局、ライリーの言葉通りにヒートはこの日で優勝を決め、ライリーが同じスーツを2回続けて着るところは見られなかった(第6戦に負けたら、たぶんダラスのアルマーニを扱う店が喜んで新しいスーツを提供したと思うけれど)。
P1130715s  そのかわりに見ることができたのはシャンパンで頭からずぶぬれのライリー(右の写真)。記者会見場に入ってくるなり、ネクタイを取ると、「もうこのネクタイは外そう。これ、e-bayで高く売れそうだな」とひとしきりネクタイを眺めていた。
 ライリーが前回優勝したのは、まだレイカーズのHCだった88年。その次のシーズンがヒートのNBA一年目だったのだから、ヒートが存続している間、ライリーはずっと優勝できなかったわけだ。実に18年。簡単なことのように思えた優勝が、実は簡単なことではなかったということに気づいた18年だったという。「優勝を追いかけ、追いかけ、疲れてしまった」とライリー。それだけに今回の優勝は、その前までのすべての優勝と交換しても手に入れたいくらい思いいれがあるという。表情も、本当に嬉しそうだった。

 それにしても、今回のファイナルは、依然としてライリー・マジックが健在だということを思い知らされたファイナルだった。ファイナル緒戦に負けたあと、ライリーは選手たちに、「6月20日に我々は優勝を決める」と宣言したのだという。ライリーの言葉通り6月20日に優勝。ほかにも、ライリーが選手をいかにまとめ、チームに自信を与えたかというエピソードは次々と出てくる。そういう話を聞けば聞くほど、この能力は、やはりコーチとして生かさなくてはもったいない。シーズン頭のコーチ交代のいきさつがどんなだったとしても、やはりライリーはコーチとしてサイドラインにいるべき人なのだと感じた。

 この下の写真も、そんなライリー・マジックのひとつ。これに関連した話は雑誌(7/5発売ナンバーW杯増刊4号)掲載のコラムで書いているので、ここでは省略。

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2006年6月22日 (木)

NBAファイナル・レポート(8) アロンゾの想い

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 ヒート優勝後の記者会見でのアロンゾ・モーニング。記者会見の2つ目の質問で、ESPNのレポーターが「これまで優勝を求めてきたなかで、一番暗たんとした日々はいつでしたか? またそこから今までの道のりを語ってもらえますか」という質問をした。この質問が、アロンゾの琴線に触れた。もともと、腎臓移植以来、けっこうよく喋るようになっていたアロンゾだが、このときは昔のことを思い返しながらスピーチモードがオン。

 「一番暗かったのは、2000年10月3日、バスケットボールを二度とプレーしないという発表をしたときだった」と語り始めたアロンゾ。
 シドニー五輪優勝と娘の誕生という最頂点から突き落とされた失意の想い。そういった壁によっていかに自分が強くなったか。腎臓をくれたいとこのこと。健康のためなら持っているもの何とでも交換すると思った気持ち。それだけに、今、生きている一瞬がそれだけ貴重であること。その気持ちを、同じように病気で苦しむ人たちに伝え、励ましたいということ。自分にとっては、ランス・アームストログ(癌を克服した後、ツールドフランスで7年連続優勝を果たした自転車選手)の存在がその励みになったこと。アームストロングからこのファイナルの前や途中に励ましのメッセージをもらったこと。病床で彼の本を読んでいかに励まされたか。自分も泣いて笑い、痛みを感じる人間であること。試合前、ホテルで一人の身体に不調を持つ男性から話しかけられ、どれだけアロンゾの活躍が励みになっているかを話しかけられたこと。その男性に、回復の一番の鍵はここ(と頭を指す)を強くもつことだと言ったこと。気持ちを強く、前向きに持ち続ければ、身体もついてくるということ。彼自身も気持ちでは決して諦めなかったこと。

 なんと、この質問に答えるだけで6分以上、アロンゾは延々と話していた。6分と聞いてもピンとこない人もいるかもしれないけれど、記者会見での6分というのは実はすごく長い。彼の言葉をそのまま文字にしただけでも雑誌1ページ分の記事が書けるくらい。ふつうの受け答えなら、この時間で6つか7つの質問に答えることができる。それくらい、アロンゾはこのひとつの質問の答えで、自分が言いたかった想いの多くを語った。この質問をした記者が、テレビでのレポートの時間があったのか、質問が終わる前に席を立って出ていってしまったくらい長かった。結局、アロンゾの記者会見はこの前とあとに1つずつ質問があっただけで3つの質問で終わってしまったのだけれど、ぐっと中身が詰まった3つの受け答えだった。

P1130762s_1  この写真は、記者会見場に入ってきたときの写真。右手にシャンパンのボトル。でも、記者会見に入る前に、「このボトルは下に隠しておこう。ヤツラ(シャンパン会社)の宣伝はもう十分すぎるほどしてしまったからね」と言って、ボトルがテレビに映らないように机の下に隠していた。
 ちなみに、最初の質問はシャンペンを飲むことによって腎臓に影響がないか、医者から何と言われているか、という問い。適度なら飲んでも大丈夫と言われている、と言ってから、「実を言うと、2000年に(腎臓病の)診断を受けてから一滴も飲んでいないんだ。完全に酒絶ちをしていた。前は友達といっしょにビールを飲んでいたけれど、あれ以来、一杯も飲んでいない」と付け加えていた。

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2006年6月21日 (水)

NBAファイナル・レポート(7) ヒート優勝!

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2006年6月19日 (月)

NBAファイナル・レポート(6) 第5戦 ノヴィツキ編

P1130644s きのうの第5戦後の記者会見でのノヴィツキ。何度か目のところに手をやっていたけれど、たぶん泣いてはいない…と思う。

 でも、負けた悔しさはかなりのものだったようだ。試合中から、恐いくらいの形相でやっていてかなり気合が入っていたようだったのだが、ああいう形で試合が終わり、ロッカールームに引き上げる前にボールをスタンドに蹴りいれ(これに対してリーグから罰金5000ドルを課せられた)。さらにロッカーに行くまでの間にエクササイズ用のバイクを手で押し、ロッカーの入り口のところで蹴りをいれ…。
 この記者会見では、いつもの冷静なノヴィツキ口調に戻っていたけれど、実はその前にも一度怒って記者会見をボイコットしようともしていた。というのも、まずは記者会見場の外でいつものようにドイツ人メディアの取材に囲みで答え、それが終わってから記者会見場に行こうとしたら、そこでは順番の都合でウェイドが答えている最中。それを見てプツンと切れたノヴィツキは、「それならきょうは記者会見はなし!」とばかりにバスのほうに向かって歩き始めた。マブスの広報が必死に説得して、結局は記者会見場の隣の小さなスペースで待っていたのだけれど、ウェイドのあとにはペイトンが話し、結局、その間ずっと、ノヴィツキは彼らが語るのを隣で聞かされていたわけだ。
 この怒りを第6戦でどういう形でショウカ(消化&昇華)させてくるのだろうか。

 最後に、きのう昼間にようやく行ったマイアミ・サウスビーチの写真を一枚。
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NBAファイナル・レポート(5) 第5戦 ウェイド&佐藤健介

P1130506s_1 ダラスに戻ってきました。

 オーバータイム熱戦のNBAファイナル第5戦。終わったのはマイアミ時間で夜中の1時近く。取材を終えて、ホテルに戻って、3時間後には早朝の飛行機に乗るためにホテルを出発というハードスケジュール。しか~し、そういう強行軍をするのはもちろん私一人ではありません。直行便ではなかったので、同じ便に乗っていたライターは数名だけでしたが、空港で乗る飛行機のゲート近くで、フェニックス・サンズのショーン・マリオンが手を振っているじゃないですか。第5戦中継のテレビ画面に映っていたので見に来ていたのは知っていたのだけれど、オフなのに、試合の翌日、こんな早起きして移動するとはびっくり。といっても、彼はきょうはダラスに移動したわけではなく、第6戦はパスして、もしシリーズが第7戦までいったらまた見に行くとのこと。きょうは何か用事があったのかも。どちらを応援しているというわけではなく、ただファイナルを見たかったんだそうな。彼女(たぶん)がいっしょだったので、遠慮して一言交わすだけでその場を離れたのだけれど、マリオンのファイナル予想くらい聞いておけばよかった。

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 第5戦のヒーローは、なんといってもドウェイン・ウェイド。第5戦だけでなく、第3戦も、第4戦も彼がいなければヒートは負けていた。去年のプレイオフから勝負強いところを見せてきたけれど、個人的には、去年のカンファレンスファイナルの最後での故障といい、今年の風邪といい、なんというか、実力はあるのにタイミング悪い選手というイメージがあった。でも、この3試合でそのイメージをすっかりと覆してくれた。

 ところで、ウェイドと言えば思いだすのが、3年前の夏、ウェイドがNBAにP1130619s入る直前のこと。これ、前に掲示板でも書いた話なので、読んだことある人もいるかもしれし、直接NBAファイナルには関係ない話なのだけれど、せっかくなのでこの機会に一度きちんと書いておこうと思う。
 当時、日本の佐藤健介選手がアメリカ挑戦のためにシカゴに滞在していて、ウェイドのトレーナーでもあるティム・グローバーのところのピックアップゲームに参加していた。参加していたといっても、NBA選手が多い日はなかなか出番がもらえなかったらしく、コートサイドで見学の時間のほうが多かったらしいけれど。
 でも、そうやってNBAのトッププレイヤーのプレーを間近で見る機会っていうのはなかなかあるものではない。そのときに佐藤選手が特に絶賛していたのが、ヒートにドラフト指名されたばかりのウェイドだった。絶賛というか、「とにかくすごい」と言っていて、言葉で表現できないくらいの衝撃を受けたようだった。ウェイドだけではないと思うけれど、NBAのトッププレイヤーのプレーを見て、「自分に何が足りないかを分析できないくらいの差があった」とも言っていた。
 結局、佐藤選手はその後秋まで挑戦を続け、マイナーリーグのトライアウトをいくつか受けたものの、そのあと日本に帰国、バスケットボール自体を辞めてしまった。全日本にも選ばれるレベルの選手、日本のスーパーリーグからも誘いがかかるレベルの選手が、22歳でバスケットボールをきっぱり辞めてしまったわけで、驚いた人も多かったはず。
 私にとっても驚きがまったくなかったといえば嘘になるけれど、でも彼がそういう決断をする理由はわからなくもなかった。決断にいたるまでにはいろいろな感情や考え方が絡んできたのだろうけれど、その根底にはウェイドを見て感じた衝撃っていうのもあったんじゃないかな~と、今、改めて当時を振り返って思うのだ。

 と同時に、あれで、たとえばウェイドのようなプレーをしたのが新人で彼より年下のウェイドでなくて、ジョーダンのようにNBAでの評価が固まった選手なのだったらまた別の感じ方があったのかも、とも思う。
 これは、それだけウェイドはこの3年で急成長しているということでもある。次の2試合はダラスでの試合だから、優勝の可能性は五分五分だと思っているが、でも、もしもヒートが2試合のうちどちらかに勝って優勝を果たしたら、間違いなくファイナルMVPはドウェイン・ウェイド。いったい、彼が3年でファイナルMVPを取る選手になるなんて、当時の誰が想像したことだろうか。

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2006年6月14日 (水)

NBAファイナル・レポート(4) ボリス・ベッカー

P1130194s   14日の両チーム練習取材のとき、スタンドには各国報道陣に混じって元プロテニス選手、ボリス・ディッカーの姿が…! 胸をP1130200s_1見ると、彼の名前がしっかり入ったプレスパスを下げている。Premierというのは、ドイツのケーブルテレビ局の名前。このPremierのレポーターとして、ノヴィツキにインタビューをするのがファイナルでの彼の仕事らしい。
 スイスに住んでいるベッカーだが、マイアミにもアパートを持っていて、実はヒートのファン。なんともう8年もの間ヒートのシーズンチケットを持っているというから筋金入りだ。でも、このファイナルだけは母国のスーパスター、ノヴィツキの応援団でもある。「本当はノヴィツキがヒートのユニフォームを着てくれると一番いいんだけどね」と本音もチラリ。
 二人が知り合ったのは2年くらい前だそうだが、子供の頃からスポーツ少年だったノヴィツキ、テニスも大好きだったというから、同じドイツ人スターのベッカーのキャリアも興味を持って追いかけてきたのだという。同じように海外に出たスポーツ選手として、スーパースター同士として、理解しあえるところも多いのだろう。
 
 それにしても、今はドイツといえばノヴィツキが出るNBAファイナル以上に、地元で開催されているサッカーのワールドカップが話題のはず。ベッカーも、ワールドカップのドイツ対コスタリカを見てからマイアミに到着、このあともまたワールドカップを見るためにドイツに戻るのだとか。
 ワールドカップのドイツチームについて聞かれ、「ドイツのトレードマークはいつもディフェンスだったけれど、今のチームは若くて、オフェンス重視のチーム。1試合目、コスタリカに2ゴール入れられたことで批判もされているけれど、でも勝つことが大事だ」とコメントしていた。

 ノヴィツキのほうは、ワールドカップは結果だけチェックしているものの、ファイナルの間はファイナルに集中していてテレビ放映(サッカー不毛の地と言われたアメリカでも全試合、ESPNまたはABCで見ることができるのだ)までは見ていないらしい。このあたりの話は、ナンバーのワールドカップ増刊1号に掲載されているコラムで書いているので、興味ある方はそちらをどうぞ。

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2006年6月13日 (火)

NBAファイナル・レポート(3) 表情

 ファイナルの間は、毎日30分前後、選手やコーチの取材をする時間がある。記者会見場(両ヘッドコーチ+スタープレイヤー)とフロアやロッカールーム(残りの選手)は同時に行われるので、どっちに行くかを選択する必要がある。記者会見場でのやり取りは、すべてあとから文字に起したものが出てくるのであとまわしにすることも多いのだが、それでもできる限りその場で取材するようにしているのがシャキール・オニールとエイブリー・ジョンソンの記者会見。
 シャックについては8日のレポートで書いたが、エイブリーもまた別の意味で見逃せない。まず、とにかく表情が豊か。言っていることもとても説得力があるし、存在感もあるのだが、あの特徴ある声を聞き、マンガチックな表情の変化を見ていると妙に和むのだ。

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基本形。質問を聞くときも真剣。別に、質問している記者をにらんでいるわけではない(…と思う)。

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真剣に答える。考えながら話しているのか、よく上目遣いになる。

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手の表情も豊か。真ん中は、珍しく物憂げな表情!?

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たまに笑顔も見せます。

 1週間、ファイナルを取材して、エイブリーの七変化のような表情を見てきて、もしかしたらこれはエイブリーのヘッドコーチとしての素質のひとつなのではないかと思うようになった。彼自身はいつでも真剣すぎるほど真剣で、選手にも多くのことを要求してくる。あの声や表情でなかったら、選手のほうも息詰まってしまうんじゃないだろうか。何というか、あの表情も声も、エイブリーのカリズマ性を作り出す道具になっているのだ。

P1120953s_1  元祖カリズマ・ヘッドコーチのパット・ライリー。記者会見中の表情はエイブリーほど変化に富んでいない。


 さて、シリーズはダラスでの最初の2試合が終わってマブスの2勝。マブスのオフェンスは、エイブリーの表情のように多彩で、一方のヒートのオフェンスは記者会見中のライリーの表情のように単調だった。地元マイアミに戻っての今夜の第3戦、果たしてヒートのオフェンスはもっと多彩になることができるのかどうかに注目。きょうはライリーの試合前の記者会見も覗いてみよう。

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2006年6月10日 (土)

NBAファイナル・レポート(2) トロフィー

P1120844s_4  ゲームスタート! …と、第1戦から2日遅れでスミマセン。

 左の写真はNBAファイナル仕様のフロア。このように、ファイナル中、あちこちでこのラリー・オブライアン・トロフィー(優勝トロフィー)がモチーフとして使われています。

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2006年6月 8日 (木)

NBAファイナル・レポート(1) シャック&キューバン・コンビ

P1120814s_1  いよいよ今夜(6/8)からNBAファイナルがスタート。ダラスのアメリカン・エアライン・アリーナにかけられたバナーも、プレイオフ・バージョン(6/3記事の写真参照)からファイナル・バージョンに変わっていた。
 私もきのうの前日練習から取材するために、火曜の夜行便でLAを発ち、水曜早朝にダラスに到着。早朝4時という時間にもかかわらず、飛行機を下りると外はムっと暑かった。それもそのはず、この1週間のダラスの天気予報をYahoo Weatherでチェックしたら、一日の最高気温のところに37とか38(摂氏)という数字が並んでいた。最低気温も25がずらり。日本流に言うと真夏日。暑いわけだ。ちなみに来週行くマイアミは、最高気温は30度。ダラスより涼しいのかと思ったら、マイアミの湿度は50%を超えている! 体感温度を見ると、ダラスの体感温度は32度、マイアミの体感温度は34度だそうだ(こうやって、出張に行く前には必ずYahoo Weatherで行き先の気温と天気をチェック。アメリカは広いから、これを怠ると、予想外に寒いor暑い思いをすることになる)。

P1120789s_4 P1120810s_6  ファイナル中のメディア・セッションには、初めて経験する選手だと圧倒されてしまうくらいの数のメディアがやってくる。そんな中で、水を得た魚のように生き生きとしているのが、2年ぶりにNBAファイナルに戻ってきたシャキール・オニール。左の写真はTonight Showの取材を受け、レポーター(右の写真の水色シャツの人)のメガネを取ってかけ、マイクを自ら持って喋っているところだが、こうやってレポーター相手にふざけるのも大好きなのだ。
 記者会見でも、ほかのコーチや選手がマジメにシリーズの展望を語っているのに対して、シャックのときは笑いが絶えない。たとえば、NBAファイナル期間中の記者会見は、すべて速記タイプの専門家がその場でコメントを打ち込んでいるのだが、ファイナルのベテランであるシャックはそのこともわかっていて、コメントの合間にわざと、「ブラブラブラブラ…」と意味のない言葉を言ってみせ、速記者のほうを見てニヤリと笑うと、「これをタイプしてみてくれよ」とチャレンジしてもいた。こういった、「何でも楽しんでしまおう精神」は、見ていてこっちも楽しい気分になる。
 マブスでシャックのこの精神に通じるものを持っているのが、オーナーのマーク・キューバン(写真右。背中しか写っていないけれど)。やりすぎて顰蹙を買うときもあるけれど、基本的には楽しいことは大好きな人。きのうのメディア・セッションでも、多くのメディアに囲まれ、長い時間楽しそうに取材を受けていた。
 似たもの同士のシャックとキューバン、けっこう仲もいいらしい。キューバンいわく、「僕らはどっちも、あまり深刻になりすぎないんだ。それがウマがあう理由だと思う」だそうだ。

 ところで、キューバンの囲み取材をしていて、彼が着ているTシャツが気になった。胸のところに「2001」と入り、背中には写真でも見られるように"Payback Time"(=仕返しのとき)とある。2001年、キューバンがオーナーになって2年目のシーズン、11年ぶりにプレイオフに出たときのTシャツだ。これを4ヶ国語で書いたTシャツも作っていたはず(その4ヶ国語は確か、当時のマブス・ロスターにいた選手の母国語だった。中国のワン・ジージーもマブスにいたから、そのうちの1つは中国語だった覚えがある)。
 初めてのNBAファイナルが始まる前日にこのTシャツを着てきたというのはキューバンなりに何か思いがあるに違いないと思い、本人に聞いたところ、「別に理由はないよ。強いて言えば、このTシャツがきれいだった(洗濯されていた)から」との答えが返ってきて拍子抜け。「ファイナルに出た今こそ、プレイオフにも出られなかった時代を忘れないために」なんてコメントを返してくれたらバッチリ原稿に使えたのにな~(そんな、こっちの都合いいようにはいかない)。…でも、それでも、このTシャツの話はもしかしたらどこかで使うかも(笑)。

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2006年6月 3日 (土)

アリーナ名

P1010020s_2P1010024s_3  半年ぶりにフェニックスに行ったら、隣り合わせに建つアリーナと野球場、どちらも名前が変わっていた。野球場(写真左)がバンクワン・ボールパークからチェイスフィールドに。サンズの本拠地でもあるアリーナのほうは、アメリカ・ウェスト・アリーナからUSエアウェイズ・センターに。どちらも命名権を持った会社が合併して、会社名が変わったためで、アメリカではけっこうよくある話ではあるのだけれど、隣り合わせた建物の両方とも、命名権を持っていた会社の名前のほうが消えたというのが、フェニックスにとってはツイていないというか。しかもUSエP1010020ss_2アウェイズ航空は、合併後の会社経営的にはアメリカ・ウェスト航空の経営陣が主体となるらしいのだけれど、名前はUSエアウェイズを残すことになったのだとか。ま、名前変更などはすぐに慣れることなのだけれど、地図は刷りなおさなくてはいけないし、看板は書き直さなくてはいけないし、細々とした影響はありそうだ。実際、ホテルでもらった地図はすばやく変更が反映されていて、野球場もアリーナも新しい名前になっていたけれど、野球場前に立てられていた案内板(右)はまだバンクワン・ボールパークとアメリカ・ウェスト・アリーナのままだった。

P1120734s  アリーナ名の話のついでに。今現在、NBAは東はマイアミ・ヒートが勝ってファイナル進出を決め、西はダラス・マベリックスが王手をかけている状態なのだけれど、もしマブスが6戦か7戦に勝ってファイナル進出を決め、NBAファイナルがダラス対マイアミになったら、おそらくアメリカプロスポーツ史上初、同じ会社が命名権を持つアリーナを本拠地とするチーム同士の対戦となる。ダラスのほうはアメリカン・エアライン・センターで、マイアミはアメリカン・エアライン・アリーナ。どちらもアメリカン航空が命名権を持っている。
 先日もそのことをニュースで取り上げていて、アメリカン航空の広報が満面笑顔で話していたけれど、どうせならファイナル期間中は両都市の間の航空運賃を大幅値下げ!なんてやってくれたら嬉しいんだけどな~。ふだんはユナイテッド航空でマイルをためている私だけど、この二都市間の移動にはアメリカンが断然便利。マイルをとるか便利さを取るか悩むところだ。フェニックスなら、ユナイテッドかUSエアウェイズで決まりなんだけれど。(ファイナルは直前まで行き先が決まらないため、毎年、いろんな航空会社のサイトでルートや値段を比べては悩んでいる。こうやって、自分の出張の手配をするのもライターの大事な仕事のひとつなのだ)

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