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2006年6月19日 (月)

NBAファイナル・レポート(5) 第5戦 ウェイド&佐藤健介

P1130506s_1 ダラスに戻ってきました。

 オーバータイム熱戦のNBAファイナル第5戦。終わったのはマイアミ時間で夜中の1時近く。取材を終えて、ホテルに戻って、3時間後には早朝の飛行機に乗るためにホテルを出発というハードスケジュール。しか~し、そういう強行軍をするのはもちろん私一人ではありません。直行便ではなかったので、同じ便に乗っていたライターは数名だけでしたが、空港で乗る飛行機のゲート近くで、フェニックス・サンズのショーン・マリオンが手を振っているじゃないですか。第5戦中継のテレビ画面に映っていたので見に来ていたのは知っていたのだけれど、オフなのに、試合の翌日、こんな早起きして移動するとはびっくり。といっても、彼はきょうはダラスに移動したわけではなく、第6戦はパスして、もしシリーズが第7戦までいったらまた見に行くとのこと。きょうは何か用事があったのかも。どちらを応援しているというわけではなく、ただファイナルを見たかったんだそうな。彼女(たぶん)がいっしょだったので、遠慮して一言交わすだけでその場を離れたのだけれど、マリオンのファイナル予想くらい聞いておけばよかった。

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 第5戦のヒーローは、なんといってもドウェイン・ウェイド。第5戦だけでなく、第3戦も、第4戦も彼がいなければヒートは負けていた。去年のプレイオフから勝負強いところを見せてきたけれど、個人的には、去年のカンファレンスファイナルの最後での故障といい、今年の風邪といい、なんというか、実力はあるのにタイミング悪い選手というイメージがあった。でも、この3試合でそのイメージをすっかりと覆してくれた。

 ところで、ウェイドと言えば思いだすのが、3年前の夏、ウェイドがNBAにP1130619s入る直前のこと。これ、前に掲示板でも書いた話なので、読んだことある人もいるかもしれし、直接NBAファイナルには関係ない話なのだけれど、せっかくなのでこの機会に一度きちんと書いておこうと思う。
 当時、日本の佐藤健介選手がアメリカ挑戦のためにシカゴに滞在していて、ウェイドのトレーナーでもあるティム・グローバーのところのピックアップゲームに参加していた。参加していたといっても、NBA選手が多い日はなかなか出番がもらえなかったらしく、コートサイドで見学の時間のほうが多かったらしいけれど。
 でも、そうやってNBAのトッププレイヤーのプレーを間近で見る機会っていうのはなかなかあるものではない。そのときに佐藤選手が特に絶賛していたのが、ヒートにドラフト指名されたばかりのウェイドだった。絶賛というか、「とにかくすごい」と言っていて、言葉で表現できないくらいの衝撃を受けたようだった。ウェイドだけではないと思うけれど、NBAのトッププレイヤーのプレーを見て、「自分に何が足りないかを分析できないくらいの差があった」とも言っていた。
 結局、佐藤選手はその後秋まで挑戦を続け、マイナーリーグのトライアウトをいくつか受けたものの、そのあと日本に帰国、バスケットボール自体を辞めてしまった。全日本にも選ばれるレベルの選手、日本のスーパーリーグからも誘いがかかるレベルの選手が、22歳でバスケットボールをきっぱり辞めてしまったわけで、驚いた人も多かったはず。
 私にとっても驚きがまったくなかったといえば嘘になるけれど、でも彼がそういう決断をする理由はわからなくもなかった。決断にいたるまでにはいろいろな感情や考え方が絡んできたのだろうけれど、その根底にはウェイドを見て感じた衝撃っていうのもあったんじゃないかな~と、今、改めて当時を振り返って思うのだ。

 と同時に、あれで、たとえばウェイドのようなプレーをしたのが新人で彼より年下のウェイドでなくて、ジョーダンのようにNBAでの評価が固まった選手なのだったらまた別の感じ方があったのかも、とも思う。
 これは、それだけウェイドはこの3年で急成長しているということでもある。次の2試合はダラスでの試合だから、優勝の可能性は五分五分だと思っているが、でも、もしもヒートが2試合のうちどちらかに勝って優勝を果たしたら、間違いなくファイナルMVPはドウェイン・ウェイド。いったい、彼が3年でファイナルMVPを取る選手になるなんて、当時の誰が想像したことだろうか。

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コメント

妻がKO OGで佐藤健介のことは心配していました。
この記事のことは知らなかったので、少し惜しいけれど、賢明な判断であると喜んでいました。
ありがとうございました。

投稿: 駒ヶ嶺正純 | 2006年7月19日 (水) 00時53分

続けるのも勇気なら、辞めるのも勇気、ですよね。同年代でNBA挑戦を続けている田臥選手と、きっぱりバスケットボールを辞めた佐藤選手の二人を思うたびに、そう思います。そういえば、佐藤選手が目標としていたシェーン・バティエはUSA代表に入ってきょうから練習スタートです。

投稿: 陽子 | 2006年7月19日 (水) 22時06分

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