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2006年6月22日 (木)

NBAファイナル・レポート(8) アロンゾの想い

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 ヒート優勝後の記者会見でのアロンゾ・モーニング。記者会見の2つ目の質問で、ESPNのレポーターが「これまで優勝を求めてきたなかで、一番暗たんとした日々はいつでしたか? またそこから今までの道のりを語ってもらえますか」という質問をした。この質問が、アロンゾの琴線に触れた。もともと、腎臓移植以来、けっこうよく喋るようになっていたアロンゾだが、このときは昔のことを思い返しながらスピーチモードがオン。

 「一番暗かったのは、2000年10月3日、バスケットボールを二度とプレーしないという発表をしたときだった」と語り始めたアロンゾ。
 シドニー五輪優勝と娘の誕生という最頂点から突き落とされた失意の想い。そういった壁によっていかに自分が強くなったか。腎臓をくれたいとこのこと。健康のためなら持っているもの何とでも交換すると思った気持ち。それだけに、今、生きている一瞬がそれだけ貴重であること。その気持ちを、同じように病気で苦しむ人たちに伝え、励ましたいということ。自分にとっては、ランス・アームストログ(癌を克服した後、ツールドフランスで7年連続優勝を果たした自転車選手)の存在がその励みになったこと。アームストロングからこのファイナルの前や途中に励ましのメッセージをもらったこと。病床で彼の本を読んでいかに励まされたか。自分も泣いて笑い、痛みを感じる人間であること。試合前、ホテルで一人の身体に不調を持つ男性から話しかけられ、どれだけアロンゾの活躍が励みになっているかを話しかけられたこと。その男性に、回復の一番の鍵はここ(と頭を指す)を強くもつことだと言ったこと。気持ちを強く、前向きに持ち続ければ、身体もついてくるということ。彼自身も気持ちでは決して諦めなかったこと。

 なんと、この質問に答えるだけで6分以上、アロンゾは延々と話していた。6分と聞いてもピンとこない人もいるかもしれないけれど、記者会見での6分というのは実はすごく長い。彼の言葉をそのまま文字にしただけでも雑誌1ページ分の記事が書けるくらい。ふつうの受け答えなら、この時間で6つか7つの質問に答えることができる。それくらい、アロンゾはこのひとつの質問の答えで、自分が言いたかった想いの多くを語った。この質問をした記者が、テレビでのレポートの時間があったのか、質問が終わる前に席を立って出ていってしまったくらい長かった。結局、アロンゾの記者会見はこの前とあとに1つずつ質問があっただけで3つの質問で終わってしまったのだけれど、ぐっと中身が詰まった3つの受け答えだった。

P1130762s_1  この写真は、記者会見場に入ってきたときの写真。右手にシャンパンのボトル。でも、記者会見に入る前に、「このボトルは下に隠しておこう。ヤツラ(シャンパン会社)の宣伝はもう十分すぎるほどしてしまったからね」と言って、ボトルがテレビに映らないように机の下に隠していた。
 ちなみに、最初の質問はシャンペンを飲むことによって腎臓に影響がないか、医者から何と言われているか、という問い。適度なら飲んでも大丈夫と言われている、と言ってから、「実を言うと、2000年に(腎臓病の)診断を受けてから一滴も飲んでいないんだ。完全に酒絶ちをしていた。前は友達といっしょにビールを飲んでいたけれど、あれ以来、一杯も飲んでいない」と付け加えていた。

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コメント

随分ご無沙汰しました。昨年のファイナルの時にコメントを残したデトロイトファンのripです。
今シーズンはデトロイトファンの私にとって、複雑な想いが残ったシーズンでした。
ピストンズが去った後のファイナル。初めはマブスにヒートを負かしてほしい、と思っていましたが、徐々に気持ちはマイアミ側へ。ファイナルって自分の応援するチームが出ていなくても、今シーズンを振り返る事が出来るのですね。初めて知りました。マイアミvsダラス戦を見ながら今シーズンのデトロイトの事を考えていました。
マイアミ・ヒートの優勝を嬉しく思います。
でも、来シーズンこそはデトロイトががんばってくれることを信じています(笑)

投稿: rip | 2006年6月23日 (金) 01時16分

モーニングの6分にも及ぶコメント。
いろいなことが思い出されたんだと思います。実際、テレビで頑張ってる彼の映像を見て、励まされた方も多いと思います。
「ZO!!がんばれっ!!」私も思わず声を出していました。
移植をしたことが、全くハンデになっていなくて「すごいなぁ~」と、感心するばかりです。
あそこまで動けるようになるまでには、相当努力されたと思います。
勇気と夢と希望をZOから、もらった気がします。
来シーズンも頑張って欲しいと思いいますが、彼はどう思っているのでしょうね。

投稿: クニー | 2006年6月23日 (金) 02時45分

ニックスファンでした。プレイオフで
モーニング率いるヒートとの戦いはいつも熱かったの
を覚えてます。ユーイングは優勝できなかったけど、
ぞーは優勝できた。
おめでとう、おめでとう、おめでとう!!!

昔の雑誌を読み返したらルーキーの頃の記事があって
完成度はシャックより上と書かれている。2人ともエキスパンションチームのオーランドとホーネッツにドラフトされて、同じく同時期のエキスパンションだったヒートに集まって優勝!!なんと言うドラマチック!!
この2人が同じチームで優勝するなんて夢の様だ。2人ともベテランで若いスターウェイドもいて・・・
今はブルズがフューチャーヒートといわれるべきかもしれないね。

投稿: おにょ | 2006年6月23日 (金) 08時12分

そうですね、NBA史上の中でも確実に名選手だといわれているモーニングとペイトンの悲願のファイナル初制覇!素直におめでとうと言いたいです。しかし二人とも素晴らしいキャリアを築きながらも紆余曲折の末の初チャンピオンシップ獲得という事で、やっぱりNBAファイナルで勝つというのは本当に大変なことなのだなとしみじみ思いました、あのチャンピオンリングを手にする為には選手個々の”実力”だけじゃなく優勝するチームにいるという”運”も必要なのですね。
私は個人的にはダラス(宿敵スパーズをついに撃破!)を応援していたのですが、ダラスも本当に惜しかった、よくやったと思います。私見なのですが、私はこのシリーズのターニングポイントは第3戦だと思っています。ダラスがその試合の第4クォーターの途中まで10点差以上リードをしていたのに、結局最後はウェイドなどのスーパープレイによりダラスは大逆転されてしまった。。。もしダラスがこの第3戦もすんなり勝利していたら、このシリーズはダラスのスィープ勝ちだったかなとも思っています。ほんと勝負事って紙一重!
それにしてもウェイド凄いですね、また今年で一皮剥けた感じがします。彼の良さは特にオフェンス時でのプレイをする時の味方とのバランスが非常に取れているということだと思います。ようは彼の場合、自分が行く(シュート・カットインなど)時と味方を使う(パス・スクリーンをかけるなど)時のメリハリが絶妙だと思うのです、そしてそれが点にも結びついている。。。ウェイドはチームプレイ(味方へのアシストやスクリーンかけなど)なんかも(それがチームの為なら)ひょうひょうとやるし、また(チームとして必要な時)単独でのカットイン、ジャンプシュート、3ポイントなど、本当にこのファイナルでは淡々とそれらの事(本当に難しい役目なのですが)を彼はやり遂げていました(なんかこのプレイの仕方は何気にあのジョーダンを思い出してしまいました)。やはりこれはウェイド本人も彼のチームメイト達もお互いに強固な信頼関係で結ばれているからできるんでしょうね。これで”真”のスーパースターの仲間入りをしたウェイドの世界選手権や来シーズンでのプレイが本当に楽しみです。

投稿: ロビー | 2006年6月23日 (金) 23時28分

モーニングは色々あって優勝を求めて違うチームにも行ったけど、結局はヒートに戻ってチャンピオンになれたことは運命のようなものを感じました。
しかしプレイオフを通じてのウェイドは凄かったですね。1回戦の第5戦から始まりダメになりそうになったチームを何度蘇らせたことか。彼のプレイには負けじ根性、絶対に勝つんだという強い気持ちが表れていますね。(ジョーダンがそうだったように)マブスは勝てる場面でことごとくウェイドに跳ね返されたために最後は精神面で完全に打ちのめされていたように思いました。

投稿: マヌ | 2006年6月24日 (土) 19時50分

皆さま
コメント、どうもありがとう。アロンゾの熱い想いに対しては、同じように熱い書き込みが多いですね。

>来シーズンも頑張って欲しいと思いいますが、
>彼はどう思っているのでしょうね。

まだ、どちらとも決めかねているようですね。「優勝して引退は最高の形ではあるけれど、みんながもう一年と言ってくれる」と言ってました。優勝パレードでもシャックが、ヒスパニック系が多いマイアミらしくスペイン語で「あと一年」と囃し立ててました(笑)

>昔の雑誌を読み返したらルーキーの頃の記事があって
>完成度はシャックより上と書かれている。

これ、私も何度か書いた覚えがあります(笑)
(シャックは今でも成長中(!)ですから)
それにしても、本当に運命はわからないものですね~。

>それにしてもウェイド凄いですね

ウェイドは、ファイナルで自己証明しましたよね。彼のトレーナーでもあるティム・グローバー(そう、元ジョーダンのトレーナーです)にウェイドについて話を聞いたのですが、ティムでさえ、ここまでとは思っていなかったそうで。このインタビューは次号のHOOP掲載予定です。

投稿: 陽子 | 2006年6月28日 (水) 01時35分

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