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2006年10月28日 (土)

トライアウト

P1170061s  少し前のことになってしまったが、10月半ば、アナハイムに新たにできたDリーグ(NBADL)のトライアウトを取材した。2日間に渡って行われ、日本人では大宮宏正選手、澤岻直人選手の二人が参加していた。お金(150ドル)さえ払えば誰でも受けられる一般公募トライアウト(オープントライアウト)で、日本人も多いLAなので他にも挑戦する日本人選手がいると思ったのだが、結局この2人だけ。

 このトライアウトは、NBAの下部組織であるDリーグのトレーニング・キャンプに参加する選手を選ぶためのもの。といっても、実際にこのトライアウトから選ばれてキャンプに参加できるのは最小1人~最大5人。アナハイムの場合、全部で130人くらいがトライアウトを受けていて、その中から5人をキャンプに招待するということだったので26倍の競争率だ。もちろん、キャンプに参加できてもそこからロスターに残るまでにはさらなる競争が待っている。

 1日目は午前(60人)と午後(70人)に分かれていた。この日取材したのは午後だけだったので午前組の大宮選手は見ることができなかったが、話によるとブロックなどでけっこういいプレーも見せていたらしい。
 澤岻選手は積極的にドライブインを決めていて、日本人選手にとって課題となることが多い「トライアウトで目立つ」という点では合格。チームメイトが頼りない分、自分でやらねばという気持ちになったのがよかったようだ。トライアウトでは自分の能力を最大限に見せるために、多少割り切って、少しばかり自分勝手かと思うようなプレーをすることも必要になってくるのだ。
 澤岻選手は決してスピードがあるというわけではないのだが、ディフェンスの間をするりと抜けてレイアップまで持っていくのが巧い。ディフェンスが集まってきて叩かれても、きっちりボールをキープしてシュートかパスまでもって行く。まわりのレベルがあまり高くなかったことを差し引いてもいいプレーをしていたと思う。

P1170051s  2日目の朝は1日目に参加した全員が再び集合。昼の時点で30人余りにカットされることになっていた。
 しかーし、ここで事件発生! 全員集合のはずの午前中に大宮選手の姿がない。身体の具合でも悪くなったのかと思って連絡を取ってみると、集合時間を午後だと勘違いしていたらしい。いくら英語力不足からくる勘違いとはいえ、ふつうなら午前のセッションに来なかった時点で脱落とみなされてチャンスは与えてもらえない。しかし運がいいことに、前日の大宮選手のプレーがよかったという評判を聞いた台湾系のオーナーが、同じアジア人選手でそれだけいい選手ならもう少し見てみたいとコーチ陣に交渉してくれて、なんとか午後からの選抜組のワークアウトに入れてもらえることになった。
 澤岻選手も昼のカットを無事に潜り抜けて、午後はようやく2人ともが揃った。さすがに午後に残った中にはマイナーリーグ経験豊富な選手も何人かいる。7フッターの選手はいないのだが、大宮選手と同じくらいの2m前後の身長の選手も多い。むしろ、それくらいの身長の選手にいい選手が多かった。
 そんな中で、大宮選手は自分をどうやってアピールしたらいいのかわかっていないような印象を受けた。自分より背が高い選手がほとんどいなかったのだから、もっとリバウンドに思い切って飛び込むなどしてもいいんじゃないかな~と思ったのだが、どうもタイミングがあわない。彼の場合、アメリカでやるためには3番(スモールフォワード)のスキルを身につけなくてはいけないと練習しているわけだが、マイナーリーグのトライアウト・レベルでは身長は一番高いほうになる。まだ苦手な外のプレーより、こういうときは思い切って中のプレーで見せ場を作るのも手だと思うんだけどな。
 トライアウトやマイナーリーグで難しいのは、上に行くために必要なプレーと、その場で目をつけてもらうためのプレーが違うこともあるということ。自分の売りはこれ、という軸を作っておき、あとはその場にあわせて臨機応変なプレーをすることも必要になると思う。

 一方の澤岻選手は1日目と同じようにドライブインを決めたり、外からのシュートもそれなりに決めてはいた。この日残っていたガードの中ではよかったほうだと思う。とはいえ、ガードの選手はNBAをカットされて落ちてくる選手の中にもいい選手が多いので、最後にはそういった選手と比べられ、入れるかどうかが決まるのだろう。

 このトライアウトの結果は今の時点ではまだ出ていない。台湾系オーナーは、日本人選手を応援したいという気持ちを持ってくれているようなのだけれど、果たしてどうなるのやら。二人とも、この次の週末には、同じくDリーグのベイカーズフィールド・ジャムのトライアウトにも参加。70人の参加選手から2日目に参加できる20人には文句なしで残ったらしい。とはいえ、ベイカーズフィールドはトライアウトからキャンプに招待するのは1人だけという方針らしいので、なかなか厳しい道のりだ。

 中川和之選手の日記を見ると、彼もDリーグ・チーム、アイダホ・スタンペードのトライアウトを受けたとのこと。残念ながら、キャンプ招待とはいかなかったようだけれど。
 ほかにも「ここでも日本人選手がDリーグのトライアウトを受けていたよ」という情報をお持ちの方、ぜひ教えてくださいね。

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