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2007年1月27日 (土)

スラムダンク奨学金(1)

 漫画「スラムダンク」の作者、井上雄彦さんがスラムダンクの発行部数が1億冊を超えたことを記念して、「スラムダンク奨学金」を考えているという話を聞いたのは、もうかれこれ2年余り前のことだった。集英社の、今回のプロジェクトを進めているスタッフの方から相談のEメールが届いたのが最初だった。

 「日本のバスケットボール選手がアメリカの大学に留学し、大学でプレーするための奨学金を考えているのだが、どう思うか」

 確か、最初はそういう話だった。さらに話を詳しく聞くと、できれば日本でもトップレベルにある選手に行ってほしい、できればNCAAのトップレベルであるディビジョンⅠ(D1)でプレーしてほしい、というのが希望だという。
 しかし、アメリカの大学、特にD1のチームは見込みがある選手には大学からの奨学金を出す。もちろん奨学金は自前で、Walk onでチームに入るという方法だってないわけではないが、チームが奨学金を出してくれるということはそれだけ選手を買っているということのあらわれであり、逆に言えば奨学金なしの立場でプレータイムを勝ち取るのは大変なことなのだ。
 プレータイムを勝ち取るのが難しいと最初からわかっている環境のために奨学金を出すよりは、別のやり方があるのではないか。もう少し有効なお金の使い方があるのではないだろうか。確かそういう提案をした覚えがある。

 そこから、今回発表された形の奨学金になるまでに、いろいろな案が出た。チームを結成して、大学リクルートの場となっているショーケース大会に出るのはどうか。大学ではなく、マイナーリーグからNBA入りを狙う選手の生活資金援助するのはどうか。いっそのこと高校の留学生の奨学金を出してみてはどうか…などなど。

 最終的には、井上さん自身が大学生(高校卒業直後の選手)の奨学金ということにこだわりたいという気持ちを強くもっていたことから、今回のようなプレップスクールへの奨学金案が採用されることになった。

 こうやって文章にしてしまうと簡単なことに思えるかもしれないけれど、この結論にたどり着くにはものすごい時間と労力が費やされている。何人かの留学経験者やアメリカでのバスケ経験者を紹介して、体験談を聞いてもらった。実際にショーケースの主催者に問い合わせたり、調査会社を使って調べたりもしていたらしい。プレップスクールも、ただ単にどこでもいいからと選んだわけではなく、ましてや授業料が安いところを選んだわけでもなく、下調べをして候補にあがった学校をスタッフがアメリカまで行って下見をして、コーチとも会って話を聞いてから最終決定しているのだ。

 長くなりそうなので、ここでいったん切ります。続きは近いうちに書きます。

スラムダンク奨学金公式サイト
井上雄彦、スラムダンク奨学金を語る

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