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2007年8月30日 (木)

アメリカ大陸予選(3) 二次ラウンド最終日を前に。

■プエルトリコ、他力本願の生還
 予選ラウンド最終日の最終戦、アルゼンチン対パナマ戦は意外な展開になっていた。グループA全勝で1位のアルゼンチンが、グループ最下位候補のパナマに押されていたのだ。
 パナマはこの試合で負けると得失点差でグループA最下位が決定し、予選で敗退(脱落)となる。一方のアルゼンチンはグループAで唯一全勝しており、すでにグループ1位で2次ラウンド進出が決まっていた。
 そう考えると、確かにパナマのほうが切羽つまっていた。しかし、アルゼンチンも決して手を抜いていい試合というわけでもなかった。パナマに負けると、その黒星も2次ラウンドに持ち越しとなってしまうのだ。2次ラウンドでアメリカ、ブラジルとの対戦を残しているアルゼンチンにとっては、格下に負けることはあとあと命取りになりかねない。しかし連戦の疲れなのか、格下の相手で気が抜けたのか、アルゼンチンにいつものシャープさがない。死に物狂いでぶつかってくるパナマの勢いに負けていた。

 後半に入りパナマが逆転。スタンドのパナマ応援団が盛り上がる。アルゼンチン応援団もなんとか選手たちを盛り上げようと応援に力が入る。それぞれ歌を歌い、跳びはね、旗を振る。
P1210476s  と、ふとゴール裏を見ると、そこには試合をじっと見つめるプエルトリコの選手たちがいた。パナマの追い上げに、みんな一様に暗い表情。一次予選をすでに1勝3敗で終えていたプエルトリコは、アルゼンチンが勝てば二次ラウンドに進出できるが、パナマが勝てばここで大会終了という瀬戸際にあった。しかも、その運命の行方を自分たちで掴み取るのではなく、ただ見ているしかなかった。
 追いつ追われつの展開からパナマが再逆転し、アルゼンチンのエース、スコラが5ファウルで退場になった。アルゼンチンのピンチに再びゴール裏を見ると、カルロス・アロヨら、数人のプエルトリコ選手たちの姿がすでになくなっていた。諦めて帰途についたのか、見ていられなくなって席を立ったのか…。

 しかし、ここからはさすがアルゼンチンだった。最後の力を振り絞るように85-85の同点に追いつき、オーバータイム。オーバータイムに入ると一気にリードを取り、パナマを突き放した。盛り上がるアルゼンチン応援団。
P1210484s  …と、その応援団のうしろに、帰ったかと思ったアロヨたちプエルトリコの選手数名がいた。帰るつもりだったのが、オーバータイムになり、アルゼンチン応援団といっしょに応援したい気分で移動してきたのだろう。アルゼンチン勝利とともに、パナマの予選敗退とプエルトリコの二次ラウンド進出が決まった。プエルトリコの選手たちの顔に笑顔が戻った。プエルトリコからすると、まさに命拾いだった。

■ブラジル、プエルトリコ戦でまさかの大敗
 翌日、二次ラウンドの初日。前日のアルゼンチンの勝利で生き延びたプエルトリコの対戦相手は、グループB2位で、今大会でアメリカに次ぐ前評判のブラジル。しかし、試合の勝敗は前日までの試合ぶりや、ましてや前評判で決まるのではない。一度は他のチームに託さなくてはいけなかった運命を、二次ラウンド進出によって再び自分たちの手に取り戻したプエルトリコは、これ以上失うものがないと吹っ切ったかのようなアグレッシブなプレーで攻める。それがことごとく決まる。まるで予選ラウンドとは別チームのようだ。逆にブラジルは、まったいいところがない。二次ラウンド進出で気が抜けてしまったのか。前日のアメリカ戦を終えほっとしてしまったのか。

P1210518s  結局、4Qにはその点差が20点に広がり、会場にプレルトリコファンのオレー・オレオレオレ~が響き渡った。97-75でプエルトリコの勝ち! 18時間前には、このコートで行われる試合を見るしかなく、これ以上試合をできないのだろうかと悔しい思いを味わっていたプエルトリコが、首の皮一枚で2次ラウンドに進出し、ブラジルを倒す金星。前日、オーバータイムになる前にパナマが1本シュートを決めていたらプエリトリコはこの場にいなかったのだから、勝負のアヤは面白い。

■アルゼンチンとブラジルの差
P1210657s  9日間で8試合(予選ラウンド&二次ラウンド)という長丁場で過酷な戦いでは、全部の試合で最高の試合をすることは難しい。アルゼンチンは最高の試合ができなかった日に、それでも勝負をもぎ取り、ブラジルは同じように調子がでないこの日、格下だと安心したのかプエルトリコに完敗した。これが、今の両チームの力の差を表しているのかもしれない。

 この記事の下書きをしたまま数日が過ぎる間に、二次ラウンドはさらに進んだ。二次ラウンド3日目(8/29)、ブラジルとアルゼンチンの直接対戦があった。準決勝進出を決めるためにもこの試合にぜひ勝ちたいブラジルと、すでに準決勝進出を決めて余裕のアルゼンチン。最初は勝ちたい気持ちが強いブラジルが大量にリードを取った。しかし、アルゼンチンも勝負を捨てることはしなかった。少しずつ、少しずつ点差を詰め、オーバータイムの末に逆転勝ち。代表としてベストメンバーではないとはいえ、このアルゼンチンは勝負強い。
 負けたブラジルは、きょうの二次ラウンド最終戦、対ウルグアイが絶対に負けられない試合になってしまった。ウルグアイに負けると、他の試合結果によっては準決勝進出できないどころか、世界予選の出場権(3-5位に与えられる)すら取れない可能性も出てきたからだ。果たして、ブラジルは絶対に落とせない試合で勝負強さを見せることができるだろうか。
 一方、ぎりぎりで二次ラウンドに進んだプエルトリコは、二次ラウンド最終戦を前に、まだ準決勝進出の可能性を残している。勝てば準決勝進出決定。他の関係国の勝敗によっては第3シードの可能性もあるのだから、やはり勝負は最後まで諦めてはいけないのだ。たとえ、他力本願をしなくてはいけなくても。

■二次ラウンド最終日、注目の組み合わせ
 注目は2試合目のブラジル対ウルグアイ(米西海岸時間午後4時半~)、3試合目のプエルトリコ対カナダ(米西海岸時間午後6時半~)。
 現在、この4チームで3-6位争いをしているだけに、どのチームも負けられない。3、4位のチームは準決勝に進み、5位のチームは世界予選出場権を獲得。6位はオリンピック出場の可能性が完全に消えるという、天国と地獄の2戦だ。

 二次ラウンド最終戦は全勝同士、アメリカ対アルゼンチン(米西海岸時間午後9時~)。第1シードをかけた争いではあるが、アルゼンチンにとっては、勝っても負けても(二次ラウンドまでの目標だった)準決勝でアメリカとの対戦を避けることが確定していることもあって、絶対に勝たなくてはいけない試合というわけではない。しかも、初日が休みだったアルゼンチンにとっては8日連続で試合の8日目。かなり疲れがあるはずだ。それよりも、彼らの照準は9/1の準決勝に向いている。
 その意味では、この試合の勝ち負けは両チームにとってはさして大きな意味はなく、お互いに、ただただ意地をかけた試合にすぎない。この組み合わせが決勝戦の組み合わせとなる可能性が高く、その前哨戦でもある。

アメリカ大陸予選公式サイト

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