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2007年11月18日 (日)

プロの世界

(文末に追記があります)

 ジャムに合流した田臥勇太について、おととい夜に「いっそのことカットされたほうが…」なんて書いたら、昨夜(11/17)、本当にカットされてしまった。

 ビザの関係でキャンプ開始から6日遅れで、チーム練習に合流したのが15日の夜。それからたったの2日間(時差ぼけもある中での練習2回と、その合間にいきなり行われた練習試合1回田臥選手のブログによると2回目の練習前にカットを告げられたようなので、練習1回と練習試合1回)だけでカットってどういうことよ、と思うし、そんな判断の仕方はフェアではないとも思う。田臥にしても、本調子が出せないうち、不完全燃焼のうちのカットだったことだろう。こんなに早々にカットするなら、なんでリターニング・プレイヤーとしてプロテクトしたのか、プロテクトされなければドラフトで他のチームに指名してもらえたのに、とも思っていることだろう。

 とはいえ、この世界、フェアかどうかなんて関係ないのだ。コーチからチームに必要だと思われれば残れるし、思われなければ残れない。リターニング・プレイヤーにしたことにしても、コーチからすれば、そのときには、他の選択肢(他の選手)よりもいい選択肢だと思ったのだろう。ドラフトでいいガードが取れなかったときの保険のつもりだったのかもしれない。こういう不条理さも、プロである限りはよくあること。しかたないことと割り切るしかない。

 それにしても、結局、ハリックは最後まで田臥のサイズでは無理と決め付けたままだった。去年から見てきて思うのは、ハリックというコーチは、選手やチームのの長所より短所、よかったところよりもミスしたところを気にするコーチだということ。田臥に関しては、とにかくサイズ不足でディフェンス面でやられることが何よりも気になるようだった。結局、田臥はその偏見をひっくり返すだけのものを見せられなかった、とも言える。
 確かに、おとといの練習試合でも相手ポイントガードは田臥が出てきたと同時にサイズの差を突く1対1やポストアップを仕掛けてきて、得点につなげられる場面も多かった。久しぶりの状況に、田臥自身もいつもほど対応しきれていないようでもあった。ハリックは「やっぱり」という思いを強くしたのかもしれない。

 今回のカットは田臥にとって屈辱かもしれないし、挫折と感じているかもしれない。でも、今の彼はこういったことをプラスのエネルギーに変えるだけのメンタリティは持っているとも思う。これをどう乗り越えていくのかに注目したい。

 ちなみに、Dリーグのチームからカットされた選手はDリーグ登録の予備選手となり、他のDリーグ・チームからのオファーを待つことになる。あるいは、他チームからオファーがない場合は、他のリーグのチームと契約することもできる。

P1220895s P1220897s
(1日だけの幻となってしまった背番号7番ユニフォーム姿)

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11/20追記
 チームへの合流が遅れたことが解雇の原因だと思っている方も多いようなのだけれど、それは違う。また、ビザ手続きの遅れが田臥自身の不手際だと思い込んでいる人もいるようだけれど、それも違う。
 まず、ビザ更新の手続きはDリーグと契約するまで始められないわけで、あとは大使館でどれだけ迅速に手続きをしてくれるか次第。今回はたまたま、大使館側での手続きが終わる前にアメリカの休日に入ってしまい、思った以上に日数がかかってしまっただけのこと。田臥の不手際でも何でもない。
 そして、ハリックがいくら厳格な元大学コーチでも、そういった不可抗力で合流が遅れたことだけを理由にカットにしたわけでもない。
 もちろん、合流が遅れたことで、実力を見せきることができずにカットされたということはあるだろう。キャンプの最初から参加していたら、もう少しハリックを納得させるようなプレーができていたかもしれない。
 とはいえ、ヘッドコーチがハリックで、今のロスター(先日の練習試合を見る限り、ハリック好みで、それなりにサイズがあるポイントガードが2人はいた)だったら、結局、田臥は最終ロスターには残れなかったのではないかと思うのだ。
 言ってみれば、ただ単にハリック&ジャムとは縁がなかったということ。それに、最初からサイズでだめだと決め付けるハリックのもとにシーズン通して残るよりも、もっと田臥の持ち味を買ってくれるコーチのもとでプレーできれば、そのほうがずっといい結果に繋がると思う。今は辛抱のとき。そういうコーチ、チームが見つかると信じるしかない。

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コメント

ただただ残念です。
田臥選手を日本で見たときの興奮は忘れられません。
全然負けてないと思いますので、絶対復活して欲しいです!
応援しています!

投稿: おがわ | 2007年11月20日 (火) 18時09分

日本では通用しても、世界では厳しいって事でしょう。
そろそろ、日本のbjリーグでプレイしてもらいたいなぁ。

投稿: | 2007年11月21日 (水) 03時42分

>おがわさん
>全然負けてないと思いますので、絶対復活して欲しいです!
負けず嫌いの田臥選手のこと、今はきっと「きっと見返してやる」と思ってトレーニングを続けているだろうと思います。ブログを見る限り、サンクスギビングの休日も関係なくワークアウトしていたようですネ。

>名無しさん(次は忘れずにお名前を入れてくださいね)
>日本では通用しても、世界では厳しいって事でしょう。
まぁ、こういう意見も出てくるんでしょうね。この1~2年のスタッツだけを見ると、そう判断される方がいてもしかたないとは思います。NBAの中にも、そうやってスタッツだけでダメだしする人もいることでしょう。

ただ、クリッパーズでのプレシーズン試合数試合で試合の流れを変える田臥選手のプレーを見ているだけに、私はまだ彼には期待してしまいます。

>そろそろ、日本のbjリーグでプレイしてもらいたいなぁ。
田臥自身は、少なくとも今シーズンはまだ日本でのプレーは考えていないと思うのですが、それとは別に、bjリーグもJBLも、これを機会に、田臥選手のような、あるいは去年の中川選手や澤岻選手のような選手が、もっと自由にシーズン途中からでもリーグに入れるような制度、規則にしてほしいなぁと思います。

bjのほうはまだ途中から入る制度(アーリーチャレンジ)があるだけ自由ですし、中川選手も去年それがあったからこそbjにいったのだと思うのですが、それにしても次のシーズンに向けたトライアウトを受けるまではチームに合流することはできないわけで、もっと海外のリーグに挑戦する日本人選手のスケジュールも考慮した制度になっていってほしいと思うわけです。

投稿: 陽子 | 2007年11月22日 (木) 23時37分

JBLの方も16名の枠内であればシーズン中の追加登録は可能になったはずですよ~
だからこれは望まれる話ではありませんが、現在16名の枠が埋まっていないJBLのチームであればシーズン中でも登録してプレイすることは可能なはずです。(確かカットはできなかったとは思いますが・・・)
そういう意味では日本のリーグも少しはオープンになったのかなあと・・・

ま、それよりもまずは田臥選手が他のDリーグチームなどでプレイできることを祈ります!

投稿: GAKU | 2007年11月23日 (金) 11時03分

>GAKUさん
情報、ありがとうございます。JBLも途中加入もOKになったんですね。途中加入のルールが今シーズンから変わるという話は9月に帰国したときに小耳に挟んでいたのですが、外国人選手だけなのだと思い込んでいました。それならよかった。こうやって、少しずつ時代にあった組織、制度に変わっていってほしいものです。

投稿: 陽子 | 2007年11月24日 (土) 12時52分

田臥選手を妄信してるような発言をする人がいるからね。
本人は、ブログみてるとすごい前向きで尊敬するけど、ファンにそういう人が多い気がする。
現実が見えてないのはそういうファンかもね。
それと、海外でプレーするのはいいけど代表に召集されたら参加してほしいな。
日本のレベルアップの為にも、応援するファンの為にも。

投稿: | 2007年11月28日 (水) 03時17分

>名無しさん
前回の名無しさんと同じ方ですね。次からは名前(もちろん、ハンドルネームでOKです)が入っていない場合はコメントを削除することもありますので、よろしくお願いします。

投稿: 陽子 | 2007年11月28日 (水) 13時36分

こんにちは、初コメ失礼します。
田臥選手残念だったのですね。
現地まで見に行こうと思っていたのにとても残念です。
また、ご存知かもしれませんが
実は同じベーカーズフィールドで、
現在もう1人の日本人が挑戦しています。
もしおひまがあったら、応援してください。
http://bakersfieldcondors.com/iyc/publish/roster/Fukufuji_0708.php

投稿: Tbird | 2007年11月29日 (木) 23時33分

田臥選手には本当に頑張ってほしいです!
私も今は違うスポーツ界で仕事をしている者ですが、昔は
バスケをしていたので、田臥選手の動向はいつも気にしています。
日本では野球やサッカー以外のメジャーではないスポーツで、海外に挑戦している人の情報は、
まだまだ少ないですね。日本人の需要に合わせるとこうなるのかもしれないですけど、
もっといろいろなスポーツの情報を取り上げていってもらいたいなーと個人的には思います。
いつかはアメリカで田臥選手のプレーを絶対見にいきます!

投稿: バンビ | 2007年11月30日 (金) 21時30分

>TBirdさん
アイスホッケーの福藤選手ですよね。二人とも同じ時期にLAのチーム(クリッパーズとキングス)のキャンプに参加していたし、同じ街のマイナーリーグでいい刺激になるんじゃないかと思ったんですけれどね~。

>バンビさん
海外に挑戦といってもいろいろですから、実際に現地で見ないと状況がわからないことも多いんですよね。かといって取材するにはかなり経費がかかりますから、本格的な記事にするのはなかなか大変。

アメリカに出てきているバスケ選手だけでも、もう少し取り上げられれば思って始めたのが、月刊バスケットボールの連載の"Crossover USA"です。選手だけでなく、マイナーチームのオーナーや、トレーナー、コーチ、チアリーダーなど、いろんなバスケ関係者を取り上げてます。もし興味あれば、図書館でバックナンバーの記事も読んでみてくださいね。

投稿: 陽子 | 2007年12月 1日 (土) 23時10分

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