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2009年1月 5日 (月)

サウスケント・レポート(2008年12月) その3

 スラムダンク奨学一期生として去年4月からサウスケントに留学している並里成選手のレポート第3弾は、チームのこと、彼自身のプレーのことなど、バスケ関連の話。それから、オマケとしてスラムダンクの海外での人気がうかがえるエピソードを。

■ バスケ

P1040425s_2  並里選手にチームメイトの印象を聞くと、「みんないい人で、なじみやすくて、やりやすい。バスケット的にも派手な選手はいないんですけれど、地道にがんばる選手がいる。自分が思った感じよりまじめ」とのこと。どうやらアメリカだから、フリースタイルで派手なプレーをする選手がいるに違いないと思っていたら、そうではなかったらしい。逆に並里選手のほうが、まわりから「And 1のようなプレーをする!」と言われているようだ。

 チームのポイントガードは並里を入れて3人。コーチによると、「3人ともとてもいい選手で、それぞれに持ち味が少しずつ違う」とのこと。
 開幕戦からスターターとして出ているのは、身長が185cmと最も高く、バスケットボール感覚が優れているアルゼンチン人のリサンドロ(英語はペラペラで、すでにマイアミ大にP1040395s入ることを口頭で約束している)(写真で並里とマッチアップしているのがリサンドロ)。もうひとりは、3人の中では最もシュート力があるアンカレッジ出身のアンソニー。そしてボールハンドリング力に優れ、攻守にスピードを生かしたプレーができる並里。確かに国籍もプレースタイルも三人三色だ。

 並里は、3人の中では一番小さいけれど、ボールハンドリング力とパス能力に長けていて、攻守にスピードを生かしたプレーを得意とするところが評価されている。ただし、まだ、試合の流れの中で瞬時に英語でコミュニケーションする力がないのと、華やかで会場が沸くようなプレーをする一方でターンオーバーを犯すことも多く、そのあたりがリサンドロとのプレータイムの違いとなっているようだ。
 そのあたりのことを含め、並里選手自身が、チーム内での自分の立場や問題点について思った以上に理解していたのには感心。コーチも「彼は賢い選手」と認めてくれているので、あとはシーズンが終わるまでの残り2ヶ月の間に、どれだけ対応し、自分を証明し、プレータイムを勝ち取っていけるいけるかに期待したい。

【追記】ビジネスジャンプの記事が奨学金サイトに掲載になりました。
http://slamdunk-sc.shueisha.co.jp/data/namisato_vol2.pdf

■ オマケ(スラムダンク人気&オデン)

P1040536s  アルゼンチン人PGのリサンドロは、アルゼンチンにいた頃から漫画「スラムダンク」のスペイン語版を読んでいて、大ファンなのだとか。井上雄彦さんを前にして、「会えて光栄です!」と握手を求めていた。井上さんいわく、スラムダンクは、かなり早いうちにスペイン語の翻訳本が出たのだそうだ。機会があったら、NBAにいるスペイン人やアルゼンチン人選手にも、スラムダンクを知っているか聞いてみようかな。
 サウスケントでは、リサンドロだけでなく、韓国や台湾などアジアの国々からの留学生たちも井上さんのまわりに集まって、サインや質問攻め。日本だけでなく、本当に世界中で人気の漫画なんだな~と実感。

P1000074s  サウスケントに行く前に寄ったNYでは、紀伊国屋にも行ってみた。ここには井上さんが壁に描いたバガボンドの絵がある。これだけ大きな絵を描くのは大変だと思うのだけど、実際に絵を描くところも公開したというからスゴイ。井上さんが色紙に絵を描くところは何度も見たことがあるけれど、下書きもなく、サササっと描きあげてしまう。さすがにあの大きさだと下書きくらいはしたのだろうと思って井上さんに聞いたところ、途中で何度も後ろに下がってバランスは確認したけれど、下書きはなしだったとか。

 もうひとつスラムダンク関連の話。NYではブレイザーズ@ニックスの取材に行き、試合後にはビジター・ロッカールームのグレッグ・オデンのところへ。実はオデンは去年夏、「スラムダンク」英語版の宣伝のためにサンディエゴで行われたコミックコンベンションでサイン会などを行っていたのだ。この日、別行動だった井上さんからの「コンベンションの出演ありがとう」の伝言を伝えたところ、オデンは「彼にも、ぜひよろしくと伝えておいて。あれはとても楽しい経験だった。写真撮影の間に読んでいるポーズをとっている間に、本気で読み始めてしまったよ」と言っていた(コンベンション直後のオデンのブログにも同じことが書いてありますね。また、ここには、"Slum Dunk"をつい読みふけってしまっている(?)オデンの写真がありました)。
 井上さんいわく、オデンはマンガ好きということで抜擢したのだそうだ。ただし、本人にマンガ好きなのか聞いたら、「少し読むけれど、たくさん読むというほどではない」とのこと。アメリカではマンガは子供の読むものというイメージがあるので、少し見栄を張った可能性もあるかも?

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コメント

こんばんは!

並里選手のプレーは、動画で何秒しか見てないですが。
ドリブルは、ずば抜けてますね。

多分いきなりNACCでも一番のボーラーにもなるように
思うのですが、ただ試合は決定力が重要ですので、後は
シュートが、課題ですかね。

ドリブルは、もう高校学くらいには、完成して無くては
いけないので、これから伸びる可能性があるのは、ドリブルタイプの並里選手と思います。


投稿: sai | 2009年1月 6日 (火) 07時28分

NCAAで一番のボーラーはいろいろな面で現実的ではないと思うけれど、試合を見た人を引き付ける魅力を持っている選手ですね。

並里選手が期待できると思うのは、とにかくバスケに対して近道で楽しようとせず、真剣に取り組んでいること。あの姿勢を持ち続けることができれば、これからまだまだ伸びていくだろうと思います。ドリブルも単に技を身につければ完成なのではなく、試合中のどういう場面でどういうドリブルを使うのか、どうスピードの変化をつけるのかということも必要ですし、まだ成長していく余地はありますヨ。

投稿: 陽子 | 2009年1月 7日 (水) 23時32分

並里選手頑張って欲しいですね。

我々の業界も同じですが、海外で活躍する日本人は技術では絶対外国人には絶対負けていない。むしろ技術は高い方ですね。でも海外だと、萎縮するのか、日本で出来てた事が出来なくて、壁にぶち当たってしまう人もいますよね。いろいろ要因はあるんでしょうけど、結局は適用性とコミュニケーション能力かなと思います。英語が話せても、コミュニケーション能力がないから、理解されない。だから孤立するといった悪循環に陥る人もいますよね。海外では人間的な強さが必要だと思いますね。

並里選手も、日本で感じたことの無い事(バスケ以外)が原因で、上手くプレー出来ない日もあるかもしれませんね。でも英語が上達してきて、いろんな困難を自分で解決できるようになれば、人間的にも強くなるだろうし、バスケにもいい影響がでますよね。いい経験してますね。頑張って欲しいですね。

出来れば、アメリカに行く前に、コーチが全部英語で話す、バスケ教室なんかが、日本であれば良いでしょうね。好きなバスケなら、英語も勉強するだろうし。

投稿: 増田康幸 | 2009年1月14日 (水) 19時14分

>増田さん
記事中に追記でリンクしておきましたので、ビジネスジャンプ掲載の記事も読んでみてくださいね。英語でのコミュニケーションはまだ大変だけど、いろいろとまわりの仲間に応援受けているようですよ。

投稿: 陽子 | 2009年1月16日 (金) 01時22分

追記していただいた、リンク見ました。面白かったです。

僕は英語力と、コミュニケーション能力は違うものだと思ってます。日本人が日本で、皆に理解されるかと言えば違いますよね。同じ母国語を話しても、コミュニケーションの下手な人はいますからね。並里選手は潜在的に、コミュニケーション能力が高いんだと思いますよ。バスケだけでなく、人を惹きつける魅力がある人物だと思いますね。

将来的には、アメリカだけでなく、ヨーロッパに挑戦する人もでてきて欲しいですね。NBAでもヨーロッパ出身の選手、又は、ユーロリーグを経験してる選手が活躍してますよね。ヨーロッパから、学べる事もあるんじゃないかなと思います。将来的に、日本人がゆー

投稿: 増田康幸 | 2009年1月16日 (金) 18時27分

ヨーロッパは、少しずつ挑戦する人は出てきているようですし、確かにヨーロッパで学べることもたくさんあると思いますが、情報が入ってこないこと、外国人枠の問題などが壁になってますね。そんな壁をモノともせずに、乗り越えていく人が出てくることに期待しましょう。

投稿: 陽子 | 2009年1月17日 (土) 13時37分

並里 成 大学決まりました?

投稿: あ | 2009年6月25日 (木) 21時16分

>あさん

並里選手の大ファンの方なのでしょうか? そこまで気にしてもらえると、並里選手も選手冥利につきますね。

ただ、申し訳ないのですが、私はまだ大学の最終決定については聞いていません。このところNBAの取材で手一杯だったので確認もできていない状態です。奨学金サイトのためのレポートも保留になったままで、これはなるべく早くに仕上げる予定です。

大学の情報も、発表できるときがきたら奨学金サイトなり、他の媒体なりで発表になると思いますので、もうしばらくお待ちくださいね。

投稿: 陽子 | 2009年6月26日 (金) 23時36分

並里成と田臥勇太どっちが上手いですか

投稿: あ | 2009年8月 9日 (日) 07時25分

>あさん

どちらが上手いかは、秋からご自分の目で見ていただくのが一番いいと思うのですけれど、私個人的な意見では、田臥選手は、同じポジションでプレーするどの日本人選手よりひとつ抜けていると思っています。並里選手は、年齢の割にバスケに関してはしっかりとした考えや理論を持っている選手ですが、それでも10年近い経験の差は大きいです。

#今回のようにブログ記事に直接関係ない話題のときは、掲示板のほうを利用してくださいね。

投稿: 陽子 | 2009年8月 9日 (日) 13時26分

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