« 沈黙 | トップページ | 存在感 »

2009年5月23日 (土)

In the Air Tonight

 先日のジョージ・カールの長~い沈黙には続編があった。

 第2戦の試合前のこと。試合前会見のために会見場に現れたジョージ・カール、何やら上機嫌で、席につくなり、テーブルをドラムに見立てて叩き始めた。「フィル・コリンズだよ」とカール。どうやら、フィル・コリンズの"In the Air Tonight"のライブ映像を見ていたらしい。

「あのステージ、見たことないかい? ライブのステージで、最初はヘッドセットをつけてステージを動き回って歌っていたかと思ったら、突然、ドラムの前に座って『ズーム!ブワン!』ってやるんだ。たまらないね」

 この後も、さらに、試合とは関係なく音楽談義を続けた。

「僕が知っている音楽といえば、フィル・コリンズ、ローリング・ストーンズ、エルトン・ジョーンズ…。最近のビデオに入っている音楽は聞いても『いったいこれは誰だ?』って思うよ」
「一番好きなのはムーディーブルースだ。フリート・ウッド・マックやムーディーブルース。彼らは今でもまだプレー(演奏)しているのがすごいな。もう60才くらいじゃないか? 私も60だけどね」

 …とまぁ、44時間前とは別人のように明るく、アップビートなカールHC。その変化に、記者たちもみんなあっけにとられていたほどだった。

 ここを読んでいる人はすでに知っているとは思うけれど、この日の第2戦も第1戦に続き大接戦。最後の勝敗だけは入れ替わってナゲッツが勝利をあげ、シリーズを1勝1敗とした。

***

 今シーズンになって急に強豪の仲間入りして、このカンファレンス・ファイナルでもレイカーズと互角に戦っているナゲッツ。強くなった理由に関しては、先月発売になったHOOP6月号掲載のHoop Scoopで取り上げたので、興味ある人は、ぜひ読んでみてください。

ビラップス加入がよくあげられるけれど、それだけが理由ではない。もちろん、ビラップスも大きな理由のひとつで、カールHCもビラップスのリーダーシップをソニックス時代のネイト・マクミランと並べて賞賛し、ビラップスの加入を「ブラックジャックで手持ちの札が12だったときに9を引いたようなもの」と言う一方で、「ビラップスの加入は過大評価されすぎ」と言っていた。ビラップス自身も「自分が入る前からナゲッツは変わり始めていた」と言っている。

 このHoop Scoopの記事は、レギュラーシーズン終盤に取材して書いたものなのだけど、その時点ですでにカールHCは、「もう何度も話していて話し飽きているんだけれど…」と言いながらも丁寧に説明していた。
 ナゲッツ快進撃で、プレイオフに入ってからも繰り返し聞かれているようで、今シリーズ中にも何度か、「またか」とため息をつきながら説明するカールHCの姿があった。もし、このシリーズに勝ってファイナルまで行ったら、また一から説明することになるのは間違いない。でもまぁ、ファイナルに出られるのなら、カールHCも喜んで何百回でも繰り返し話すことだろう。

|

« 沈黙 | トップページ | 存在感 »

コメント

コーチも気分転換が必要。前回の、感情的になってしまったときの言葉などは後悔することが多い、見たい無い意味のことを言っていたのは、とても分かる気がします。こうして、自分の気分を変えれるすべを知っている選手やコーチが、長丁場を戦っていけるのでしょうね。

投稿: Makoto | 2009年5月24日 (日) 21時30分

>Makotoさん
コーチも選手も、確かに気持ちの切り替えができることは大事ですね。プレイオフなんて特に、1試合、1試合の感情の波が激しいですから、大事なのは感情の起伏があるかないかではなく、いい感情も悪い感情も、次の日まで引きずらないことなのだと思います。

投稿: 陽子 | 2009年5月26日 (火) 16時57分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/100884/45109057

この記事へのトラックバック一覧です: In the Air Tonight:

« 沈黙 | トップページ | 存在感 »