がけっぷち?
プレイオフが始まって1週間余。特にウェスタンカンファレンスは、最後までシード順が決まらなかった混戦がそのままプレイオフにも表れていて、4戦まで終わったところで、2-2が2つ、下位シードがリードする3-1が2つ。上位4チームが1チームも2回戦に進めないなんていう前代未聞(たぶん)のことになったりして…と思ったり。
ロサンゼルス・レイカーズは、8位シード、若くて経験もないオクラホマシティ・サンダー相手に2勝2敗。お互いに自分のホームコートで勝った互角の戦いなのだけれど、2戦@LAが接戦だったことと、4戦@オクラホマシティがサンダーの大勝だったこともあって、なんだかレイカーズのほうが劣勢のように思えるほど。
第5戦前日のレイカーズ練習後の取材でも、「がけっぷち(back on the wall)」「勝たなくてはいけない試合(must win)」といった言葉が飛び交った。もっとも、がけっぷちというのは、メディア側から質問として出た言葉。コービーはそれに対して、「シリーズはまだ2勝2敗じゃないか。これがプレイオフだ。いったい、みんなどうしちゃったんだ?」と笑い飛ばしていた。第4戦から2日あいていることで、膝の調子はだいぶ回復したようで、言葉からは自信が感じられた。
とはいえ、次の第5戦の勝敗がシリーズの鍵を握るのはレイカーズの選手も認めるところ。ガソルははっきりと「Must win gameだ」と言っていた。
心配か?と聞かれたフィッシャー、「No. あなたは心配?」と逆質問。質問したベテラン・スポーツキャスターが「私はもう引退したから」とするりとかわすと、「心配するときではないと思う。我々は簡単ではないことを成し遂げようとしているのだから」と。
取材のQ&Aなのに、フィッシャーの言葉は、相変わらず、すべてそのままロッカールームでのスピーチに使えそうなものばかりだった。
たとえば、ひとつ例をあげると…。
「シリーズの中でサンダーのほうがうまくできることもある。彼らのほうが速いし、若いし、運動能力がある。彼らのほうがボールに速く追いつくこともあるだろうし、コートを速く走ることもあるだろう。でも、だからといって彼らが勝つとは限らない。我々は自分たちが勝つ方法を見つけるだけだ。それができると思っている。それをする最初のチャンスが明日の試合だ」
これは、フィッシャー個人についてもあてはまる。フィッシャーは年寄りでスローだから、ラッセル・ウェストブルックのような若くていきのいいガードにはやられる一方、という意見もあるし、実際にやられる場面も多いけれど(個人的に、これはフィッシャーだけの責任ではないと思っている)、それでもジャクソンHコーチはフィッシャーを使い続けている。それはフィッシャー自身が口にしたのと同じ考えに基づいてからだと思う。スピードでは控えのファーマーやブラウンのほうがウェストブルックにマッチアップできるかもしれないけれど、それ以外の面でフィッシャーが出ているときのプラスがジャクソンにとっては大切なのだ。
勝負の中にあるとつい近視的になってしまうけれど、大きな視点で見ることが大事なのだと、フィッシャーの言葉を聞いて思うのだった。
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