カテゴリー「青木崇レポート」の記事

2007年9月25日 (火)

EuroBasket 2007 (7) 新聞&ポスター

 青木さんのヨーロッパ選手権@マドリッドのレポート最終回は、決勝戦翌日のスペインのスポーツ新聞紙面と、大会に向けてのナイキの広告ポスターの写真です。

※青木さんと、スペイン語が得意な友人の助けを得てスペイン語の見出しも訳してみました。スペイン語を表記する上で特有のエニェ([n」の上に[~])はかわりに[ny]で表記、アクセントは省略しています。

Newspapers_4

(左)LAGRIMAS DE PLATA 銀の涙
(地元の大会の優勝を狙いながら、銀メダルに終わったスペイン。銀メダルだったことを伝え、それが泣きたいほど悔しい結果だったということも表していて、なかなかいい見出しですよね)
(中)E TODAS FORMAS... MIL GRACIAS
   
Gasol: "Ahora estamos tristes; manyana, orgullosos"
    それでも…本当にありがとう
    ガソル「今は悲しい。でも明日になれば誇りに思える」

(右)PENA 無念

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こちらは、スペイン代表を応援するナイキのポスター。地下鉄の駅に貼ってあったそうです。

SER ESPANYOL YA NO ESUNA EXCUSA, ES UNA RESPONSABILIDAD.
 スペイン人であることは、もはや言い訳ではない。一つの責任だ。


これ、実はもっと長い文章の冒頭だけを抜き出したもののようで、ポスターにもアドレスが掲載されているナイキの広告サイトに全文が掲載されています。

SER ESPANYOL YA NO ES EXCUSA:
ES UNA RESPONSABILIDAD.

POR ESO AHORA TE TOCA A TI.
ES TU MOMENTUM.

DEMUESTRA QUE CONSIGUES
LO QUE TE PROPONES Y QUE TU
CONTRIBUYES A QUE EL DEPORTE ESPANYOL
ESTE EN SU MEJOR MOMENTO.


SI TU ESTAS ENTRE LOS MEJORES
TENDRAS TU RECOMPENSA


HA LLEGADO TU MOMENTUM.

 スペイン人であることは、もはや言い訳ではない。
 一つの責任だ。
 だからこそ、今、君たちの番がまわってきたのだ。
 君たちの時なのだ。

 目指している地に到達できるところを見せてみろ。
 スペインのスポーツが最高の瞬間を迎えるために
 貢献できることを見せてみろ。

 もし君たちが本当に一握りの優秀な者たちなら
 それに見合った結果がついてくるだろう。

 君たちの時が来た。

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2007年9月23日 (日)

EuroBasket 2007 (6) 9/16 大会最終日

 スペインのマドリッドで、ヨーロッパ選手権(ユーロバスケ=北京五輪ヨーロッパ大陸予選)を取材していた青木さんから、最終日、9/16のレポートが届きました。Mediazoneのハイライト映像とあわせて読むと、さらに臨場感が増すのではないかと思います。

 優勝したロシアは、世界選手権の出場枠を取れなかった2005年からわずか2年で立て直しての快挙。青木さんからのメールには、「ロシアのタフネスには脱帽」とありました。競争が激しいヨーロッパでは、あっという間に勢力図が変わってきますね。

 今回優勝したロシアと3位のリトアニアは北京五輪出場権獲得(スペインは去年の世界選手権優勝ですでに出場権を獲得済み)。4位のギリシャ、5位のドイツ、6位のクロアチア、7位のリトアニアの4チームは世界予選出場権を獲得。8位に終わったフランスは、北京五輪出場の可能性が絶たれました。

 ちなみに、準々決勝から写真の撮影規制が厳しくなったとのことで、文字レポートのみです。

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★青木崇レポート ヨーロッパ選手権 9月16日★

■ロシア 60-59 スペイン(決勝戦)
 失うものがまったくない挑戦者のロシアが、土壇場で世界王者スペインを下し、頂点に立った。アリーナを埋めた1万5000人の強烈なサポートを背に受けたスペインから、ロシアは試合開始早々から猛攻を受ける。この大会でシュートが好調なホセ・カルデロンに、立て続けに3Pシュートを決められるなど、2Q序盤で13対25とリードされていた。
 しかし、その後のロシアは、マッチアップゾーンでパウ・ガソルのインサイドゲームを封じることに成功。オフェンスでは、ハイポストのパスから何度もレイアップを決めるなどリズムをつかみ、ハーフタイムまでに3点差まで追い詰める。
 後半は一進一退の攻防が続き、3Q終了時もスペインの3点リードは変わらない。ところが、ロシアはアメリカ出身のJ・R・ホールデンのレイアップなど、3Q終盤からの10連続得点で、51対50とこの試合初めてリードを奪う。スペインは8分2秒、カルデロンがこの試合5本目の3Pシュートを決めて逆転すると、その後ロシアを引き離すチャンスが何度も訪れた。
 ところが、残り5分を切ってからガソルはプレッシャーを感じ、フリースローを5本もミスしてしまう。残り1分48秒で5点を追うロシアは、アンドレイ・キリレンコがフリースローで3点差。キリレンコは59秒にカルロス・ヒメネスのパスをスティールすると、43秒にニキタ・モグルノフのジャンパーで58対59の1点差まで詰める。
 スペインはタイムアウト後、ガソルのポストプレイで得点を狙うが、28秒にまさかのターンオーバーを犯す。ヘルプディフェンスからスティールを決めたホールデンは、カルデロンをかわしてジャンプシュート。ボールは真上にリムを弾いたあと、そのままネットを通過し、残り2秒に60対59と逆転する。
 タイムアウト後、スペインは再びガソルに託すも、そのシュートはボール半分が入りかけた後にリムを弾き万事休す。ガソルはその直後、フロアに倒れ込み、しばらく頭を抱えしかなかった。スペインは6度目の決勝だったが、ユーロバスケット初制覇はまたもお預けとなった。なお、この試合17点を記録したキリレンコが、大会のMVPに輝いた。

(ロシア)
キリレンコ:17点、4リバウンド、5アシスト
「スペインは世界最高のチームのひとつだけど、今夜はちょっとだけ我々のほうがよかった。すばらしいチームであることにすごくハッピーだし、僕がいなくてもチームメイトはいいプレイができる。全員が一体となって助け合っていた。これは僕のキャリアで最高の栄誉。僕がプレイしてきた中で最高のチームだ」
クルヤッパ:7点、12リバウンド、4アシスト

(スペイン)
カルデロン:15点
ガソル:14点、14リバウンド
「我々にとって、非常に悲しい日ということを理解しなければならない。出来が良くなかったのは認めるし、敗北の責任は僕にある」
ホアン・カルロス・ナバーロ:0点(17分)

□大会ベスト5□
F アンドレイ・キリレンコ(ロシア)
F ダーク・ノビツキー(ドイツ)
C パウ・ガソル(スペイン)
G ホセ・カルデロン(スペイン)
G ラムナス・シスカウスカス(リトアニア)

■リトアニア 78-69 ギリシャ(3位決定戦)
 北京への切符がかかったこの試合は、4人が2ケタ得点とバランスのいいオフェンスを展開したリトアニアが制した。2Q終盤まで互角の展開も、サルナス・ヤシケビシウスとリナス・クレイザの3Pシュートによって、2分32秒で39対30とリード。後半になっても主導権を維持し、4Q中盤にラムナス・シスカウスカスの2連続3Pシュートで、点差を2ケタとして勝利を決定的にした。
 ギリシャは23点のニコス・ジジス以外、シュートが不調。また、センターのラゾロス・パパドポロスが精彩を欠き、インサイドで得点できない状況に陥ったことも、ギリシャの敗因だった。

(リトアニア)
クシストフ・ラドリノビッチ:19点
シスカウスカス:13点、4リバウンド、5アシスト
「メダルとオリンピックの出場権を獲得したことでは、すごく満足している。ロシア戦と違い、いい形で試合をスタートできたのが勝因だと思う」
クレイザ:13点
ヤシケビシウス:11点
「厳しい戦いが続いたけど、オリンピックに出られるということでは、ひとまずホッとしている。メダルを獲得できたことも、我々にとって重要なことだよ」

(ギリシャ)
ジジス:23点
セオドロス・パパルーカス:8点、2アシスト
「オリンピック出場とメダルを逃したわけだから、すごくガッカリしている。先(世界予選)のことは何も考えられない。とにかく体を休ませたい」

■ドイツ 80-71 クロアチア(5、6位決定戦)
 両チームとも世界最終予選の出場が決まっているため、国のプライド以外はまったく意味を持たない試合。3試合連続でシュートが不調だったダーク・ノビツキーが、31点という活躍でドイツが勝利。クロアチアは2Q序盤で2ケタ得点差をつけるも、後半にノビツキーを止めることができずに逆転負け。

(ドイツ)
ノビツキー:31点、12リバウンド
(クロアチア)
マルコ・バニッチ:16点

■スロベニア 88-74 フランス(7、8位決定戦)
 ベテランの司令塔、ヤカ・ラコビッチの24点という活躍によって、スロベニアが来年7月の世界最終予選の出場権を手にした。スロベニアは2Q中盤からフランスにリードを許す展開を強いられるも、4Q開始早々の9連続得点で60対57と逆転。また、4Qのスロベニアはシュートが絶好調で、3Pシュートを8本成功させ、一気にフランスを引き離した。準々決勝から2戦連続で精神的にダメージを受ける敗北を喫しながらも、世界最終予選の出場権をなんとか手にしたことで、試合後のラコビッチは感情を抑えきれずに思わず涙。国の威信をかけ、全身全霊で戦っているということを、正に実感できるシーンだった。
 フランスはパーカーが31点を記録するも、チームメイトのサポートが不十分で孤軍奮闘に終わる。キャプテンのボリス・ディアウはファウルトラブルに泣かされ、無得点という散々な試合となった。

(スロベニア)
ラコビッチ:26点、7アシスト
ラショー・ネステロビッチ:19点、8リバウンド
(フランス)
パーカー:31点、4アシスト
ロニー・トゥリアフ:13点、8リバウンド

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2007年9月22日 (土)

EuroBasket 2007 (5) 9/15 準決勝

 マドリッドでヨーロッパ選手権を取材していた青木さんのレポートです。9月15日、準決勝の2試合と5-8位の順位決定戦2試合。準決勝のうち1試合は、スペイン対ギリシャという、一年前の世界選手権決勝と同じカード。去年以上の熱戦になったようです。
 5-8位決定戦も、メダルはとれなくても、世界予選の出場権がかかった大事な試合です。

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★青木崇レポート ヨーロッパ選手権 9月15日★

■ロシア 86-74 リトアニア(準決勝)
 中1日の休養があったロシアに対し、リトアニアはアンドレイ・キリレンコに対する答えがなかった。キリレンコは29点、8リバウンドの大活躍で、2Q中盤で19点のリードを奪う原動力となった。
 ところが、キリレンコが7分18秒に2ファウルになった後、大量リードにかかわらず、ロシアのデビッド・ブラッドコーチはベンチに下げることをしなかった。この決断は完全に裏目となり、キリレンコはわずか1分40秒後に3つ目ファウルを取られる始末。キリレンコを欠いたロシアは、ディフェンスで苦戦。リトアニアは4分33秒から9連続得点などで猛反撃し、ハーフタイムで点差を7まで詰めた。
 3Q中盤、リナス・クレイザとラムナス・シスカスウカスの連続3Pシュートでさらに差を詰める。4分20秒には、シスカウスカスがドライブからジャンパーを決め、リトアニアは52対52の同点に追いつく。リトアニアの流れを断ち切るため、タイムアウトを取ったロシアは、キリレンコによって窮地から逃れる。3分57秒、右ウイングから3Pシュートを決めると、30秒後に3Pプレイとなるレイアップ。2分54秒には、J・R・ホールデンのシュートをアシストし、8連続得点でリトアニアを引き離す要因となった。
 リトアニアはシスカウスカスが30点と大爆発するも、チームメイトのサポートがなく孤軍奮闘に終わる。ロシアは4Qでも肝心な局面で着実に得点を奪い、12点差で逃げ切った。

(ロシア)
キリレンコ:29点、8リバウンド、3スティール、3ブロック
「すごくフィジカルな試合だったけど、僕たちはすばらしいディフェンスをしたことが勝因。ユーロバスケットでの目標は、オリンピックの出場権を取ること。僕たちはそれを達成し、ファイナルに進んだ」
ホールデン:18点、6リバウンド
ビクトル・クルヤッパ:15点、5リバウンド、4アシスト、2スティール

(リトアニア)
シスカウスカス:30点、4リバウンド、4アシスト、5スティール
サルナス・ヤシケビシウス:5点、5ターンオーバー
「今夜はロシアのほうがよかった。でも、彼らに1日休養があったのは、明らかに有利に働いた」

■スペイン 82-77 ギリシャ(準決勝)
 大差で決着がついた昨年の世界選手権決勝、2次ラウンドとは一変し、土壇場までもつれる死闘が繰り広げられた。ヨーロッパ最高レベルのチーム同士の対戦は、スペインが先にリズムをつかむ。ホセ・カルデロンが1Qだけで3本の3Pシュートを決め、パウ・ガソルもインサイドで着実に得点し、2Q中盤で11点のリードを奪った。
 しかし、ギリシャは途中出場のガード、ヴァシレイオス・スパヌリスの奮闘で反撃開始。2分35秒にレイアップ、1分30秒にジャンパー、54秒に3Pシュートを決めると、残り18秒にはコンスタンティノス・ツァルツァリスのレイアップをアシストし、39対39の同点に追いつく。
 前半終了寸前、スペインはガソルのレイアップで再びリードするも、3Qはがっぷり四つの展開。ギリシャは3分46秒と2分20秒に、パナジオティス・ヴァシロポウロスの3Pシュートで2度3点のリードを奪う。試合の進展とともに勝利に対する熱意が激しくぶつかりあい、3Q終了直後には、フアン=カルロス・ナバーロとディミトロス・ディアマンティディスが乱闘寸前となり、コート上で両チームが入り乱れる騒ぎも起こった。
 ギリシャ1点リードで迎えた4Q、ナバーロの3Pシュートをきっかけに、スペインが6連続得点で65対60とリードを奪う。ギリシャはオフェンスのリズムをつかめずにいたが、スペインがナバーロとカルデロンを休ませたスキを突き反撃。スパヌリスが3Pプレイとなるレイアップを決めると、ティアマンティディスがフリースロー、ラゾロス・パパドポロスがフックショットを決め、7連続得点で再逆転。3度目の正直でスペイン撃破に、一歩前進したかに思われた。
 しかし、フロアに戻ったカルデロンが、4分1秒に左ウイングから3Pシュートを決めて再逆転。その直後には、ナバーロがドライブからレイアップを決めて3点差。再逆転から9-1とチャージをかけたスペインは、土壇場で着実にフリースローを成功させ、6度目の決勝進出。ギリシャは24点のスパヌリスを軸に最後まで必死に戦うも、セオドロス・パパルーカスとディアマンディディスの2人で9点では、層の厚いスペインを倒すのに不十分だった。

(スペイン)
ガソル&ナバーロ:23点ずつ
カルデロン:18点
「正に戦争と言えるような試合だった。昨年のアルゼンチン戦(世界選手権準決勝)を思い起こさせたね」

(ギリシャ)
スパヌリス:24点(FG14本中10本成功)
ツァルツァリス:7点、5リバウンド
「スペインは1日休みがあったけど、我々は昨日(の激戦)から疲れがすごく残っていた。ベストチーム相手に、我々がレベルの高いチームであることは示したと思う」

■ドイツ 69-65 スロベニア(5~8位決定戦)
 スロベニアは主導権を握りながらも、準々決勝のギリシャ戦同様、4Q終盤で逆転を許しての黒星となった。ドイツは4Q5分15秒で51対60とされながらも、脇役のデモンド・グリーンとアデモラ・オクラジャの連続3Pシュートで反撃。1分56秒には、ダーク・ノビツキーの3Pシュートによって、62対62の同点に追いつく。49秒にステフェン・ハマンのレイアップで逆転すると、11秒にノビツキーがダメ押しのターンショットを決め、ドイツが世界最終予選の出場権を手にした。

(ドイツ)
ノビツキー:28点、10リバウンド
「トーナメント中は山あり谷ありだったけど、この試合に勝ったことは大きな意味がある。(オリンピック出場の)夢はなくならずに済んだよ」

(スロベニア)
ヤカ・ラコビッチ:17点、5リバウンド、6アシスト
「昨日すごくつらい負けを喫した後だから、とても難しい試合だった。気持を切り替えて臨むのに24時間なかったわけだからね。ドイツを倒すための最善を尽くしたけど、勝つためには十分でなかったってことじゃないかな。(敗因は)わからない」
ラショー・ネステロビッチ:13点、9リバウンド

■クロアチア 86-69 フランス(5~8決定戦)
 フリースローのミスが、準々決勝での敗因となった両チーム。この試合では、勝利への貪欲さで明らかに上回ったクロアチアが、オリンピック最終予選出場を果たした。クロアチアは1Q、ヒートにドラフトされ、当日にペイサーズへ権利が移った若手ビッグマン、スタンコ・バラッチの活躍で17対7。フランスはボリス・ディーオの3Pシュートなどで反撃し、2Q中盤で3点差まで詰め寄る。しかし、元ネッツのゾラン・プラニニッチの奮闘もあり、クロアチアが11-2のチャージ。点差を16まで広げて前半を終える。
 フランスは後半開始早々、11連続得点で5点差まで詰める。だが、5分15秒と4分30秒に、マルコ・ポポビッチに立て続けに3Pシュートを献上。これでフランスの反撃を完全に断ち切ることに成功したクロアチアは、2ケタ得点差を最後まで維持して快勝した。

(クロアチア)
ポポビッチ:15点
「大きな成果(メダル)を残す可能性があったわけだけど、(世界最終予選出場という)結果にはひとまずハッピーだ。スタートから最後まで、チームとしていいプレイができた。」
プラニニッチ:15点
バラッチ:12点、7リバウンド

(フランス)
パーカー:18点、5リバウンド、3スティール
ディーオ:11点、5リバウンド、5アシスト
「後半いいプレイをしたと思うけど、前半は明らかに熱意に欠けていた。それが大きな代償となった」

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2007年9月21日 (金)

EuroBasket 2007 (4) 9/14 準々決勝2日目

 ヨーロッパ選手権をスペイン・マドリッドで取材してきた青木さんからのレポート、準々決勝2日目です。

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★青木崇レポート ヨーロッパ選手権 9月14日★

■ギリシャ 63-62 スロベニア(準々決勝)
 2年前と今回のユーロバスケット、昨年の世界選手権を通じて、ギリシャは「試合は40分間ある」が口癖だった。試合は2Q中盤から完全なスロベニアの流れで進み、4Q6分49秒、ウロス・スロカー(元ラプターズ)のフックでリードを16点まで広げた。
 スロベニアはヤカ・ラコビッチが試合をコントロールし、ラショー・ネステロビッチがインサイドのディフェンスで存在感を示した。その結果、ギリシャはインサイドでの得点が非常に少なく、3Pシュートもことごとくリムに嫌われる。オフェンスにまったくリズムがなく、ユーロバスケットで好調だったスロベニアに逃げ切られるかと思われた。
 しかし、5分44秒にセオドロス・パパルーカスがフリースローを決めると、トラップ・ディフェンスを展開。昨年の世界選手権で、中国のガードを苦しめたこのディフェンスは、スロベニアのリズムも狂わせる。2分16秒と2分8秒と立て続けにスティールを奪うと、1分32秒にパパルーカスがレイアップを決めた時、点差は7まで詰まる。
 その直後のオフェンスで、スロベニアは24秒バイオレーションのターンオーバー。残り49秒、パパルーカスは3Pシュートを決めると、7秒後にCSKAモスクワのチームメイトであるマティアス・スモディスが放ったパスをスティールする。そこからのオフェンスでギリシャは、ニコス・ジジスの3Pシュートによって、61対62まで詰め寄る。
 残り14秒、スロベニアのドメン・ローベックが3Pシュートをミスすると、ボールはそのままアウト・オブ・バウンズ。すかさずタイムアウトを取ったギリシャは、ボールをもらったパパルーカスが躊躇することなくドライブ。残り6秒、ネストロビッチの懸命なブロックをかわしながら、パパルーカスは右手でレイアップを入れて63対62。最後の5分44秒間で21-4という猛攻を見せたギリシャが、奇跡とも言える逆転勝利で準決勝進出を決めた。

(ギリシャ)
パパルーカス:17点、5アシスト
「スロベニアは39分間、我々よりも賢いプレイをしていた。でも、最後の1分間は我々のほうがよかった。それしか(試合の)勝ち目がなかったってことさ。2年前の準決勝で、フランスを(残り47秒で7点差を)逆転したのを思い起こさせたね」
ラゾロス・パパドポロス:10点
(スロベニア)
ネステロビッチ:16点、11リバウンド、5ブロック
「とてもガッカリさせられる敗北だ。でも、気持を切り替えてドイツ戦に挑み、世界最終予選の権利を手にしなければならない」
ラコビッチ:14点、5リバウンド

■リトアニア 74-72 クロアチア(準々決勝)
 無敗で準々決勝に進んだリトアニアに対し、クロアチアは互角の勝負を展開。1Qで6点のリードを奪うなど、3Qまで接戦を演じた。司令塔のゾラン・プラニニッチ(元ネッツ)がチームを牽引し、1次リーグでスペインを倒した実力が本物であることを示すに十分な戦いぶりだった。
 4Q開始から3分42秒で、リトアニアはNBAプレイヤーがチームを牽引。ダリウス・ソンガイラが6点、リナス・クレイザが4点を稼ぐなど、11-3のチャージで64対58とこの試合最大のリードを奪う。しかし、クロアチアもここから粘りを見せ、残り26秒にアンスポーツマンライク・ファウルをもらったプラニニッチが、フリースローを2本とも決め、72対74まで詰め寄った。
 その後のオフェンスで、プラニニッチは残り1秒でファウルをゲット。クロアチアは同点に追いつく絶好のチャンスをつかむも、プラニニッチが2本とも失敗して万事休す。最後の2分34秒間で、フリースローを4本ミスしたことが痛手となった。

(リトアニア)
ソンガイラ:20点、7リバウンド
「すごくタフな試合で、どっちが勝ってもおかしくなかった。リナスは昨年(世界選手権)もいい仕事をしていたから、このパフォーマンスで驚くことはないよ」
クレイザ:19点、9リバウンド
「リトアニア代表としては、恐らく最高のプレイをしたと思う」
(クロアチア)
プランニニッチ:16点、5アシスト、7スティール
マルコ・ポポビッチ:12点

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2007年9月20日 (木)

EuroBasket 2007 (3) 9/13 準々決勝1日目

 ヨーロッパ選手権を取材してきた青木さんのレポートです。少しさかのぼって、9/13の準々決勝初日2試合。
 それにしても、ロシア対フランスはわずか4点差。しかし、今から思うと、この4点差が、結果的には優勝(&北京五輪出場権獲得)と8位(北京五輪出場への道が絶たれる)を隔ててしまったわけです。

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★青木崇レポート ヨーロッパ選手権 9月13日★

■ロシア 75-71 フランス(準々決勝)
 試合開始から土壇場まで接戦が続き、最大得点差はロシアが5点、フランスが7点だった。ロシアはエースのアンドレイ・キリレンコが、4Q3分25秒でファウルアウトになりながらも、J・R・ホールデンの3Pシュートなどで、残り2分を切ったところで69対65とリードを奪った。
 しかし、フランスはNBAプレイヤーが奮闘。1分46秒にボリス・ディーオがドライブからレイアップを入れると、20秒後にはトニー・パーカーが3Pシュートを決めて同点に追いつく。
 1分近く得点を奪えない状況が続いた後、ロシアはホールデンがドライブでファウルを奪い、残り23秒でフリースローを着実に成功。71対69と均衡を破る。その直後、ロシアはパーカーにボールを持たせないようにディフェンスする一方、残り14秒にディーオがボールを手にすると、躊躇することなくファウルをした。
 ディーオは2年前、スロベニア戦で11本すべてのフリースローをミスした過去があった。3Pシュートで逆転されるより、フリースローに不安があるディーオにファウルする作戦は大成功。ディーオはプレッシャーを感じたのか、2本とも失敗する。ところが、残り11秒でファウルをもらったザカー・パチューチンは、ディーオにお付き合いして2本ともミス。フランスは残り6・5秒、パーカーがファウルをもらい、再び同点に追いつくチャンスを得た。
 1本目は難なく決めたパーカーだったが、2本目でまさかのミス。2秒後、パチューチンは着実に2本決めたロシアが、4点差でフランスを破った。フランスはパーカーとアントワン・リガドーが残り40秒を切った場面から2本ずつミスした2年前の準決勝同様、フリースローに泣いた。

(フランス)
ディーオ:17点、6リバウンド
「僕たちはいいプレイをしていたと思うけど、勝つために必要なことが試合終盤でできなかった」
パーカー:15点
「勝つチャンスが十分にあったから、とてもガッカリしている。試合を通じて接戦だったけど、勝てるだけのいいプレイをしていた。モチベーションに問題はなかったし、すごく集中していた」
(ロシア)
ホールデン:15点
「大きな意味のある勝利だ。ここまで到達したことに、我々は多くのチームを驚かせたと思う。アグレッシブに、そして自分たちのプレイをしただけだ。何も恐れることがなかったことが、(結果的に)違いになったね」
クルヤッパ:16点、7リバウンド、6アシスト
キリレンコ:6点、6リバウンド、7スティール、4ブロック
「まるでレスリングと思えるくらい、すごくフィジカルな試合だった。ファウルアウトになった瞬間、“なんてこった”って思うとともに、すごくフラストレーションを感じた。でも、チームメイトを信じ続けたよ。コーチを含め、全員がすばらしい仕事をしたと思う」

■スペイン 83-55 ドイツ(準々決勝)
 ダーク・ノビツキーのワンマンチームであるドイツに対し、選手層が非常に厚いスペインが圧勝した。試合開始早々、2試合連続でシュートが不調だったノビツキーが、ゴール正面からいきなり3Pシュートを成功。チームも2Q序盤まで20対20の同点と、スタートは悪くなかった。しかし、ドイツはフアン=カルロス・ナバーロとホセ・カルデロンのガード陣を止める術がなかった。
 ナバーロが7分と5分32秒に3Pシュートを決めると、カルデロンは5分間で3本のレイアップと3Pシュートで9点を稼ぐ。スペインは2Q中盤から20-7の猛攻で、40対27で前半を折り返す。
 後半になると、スペインはトラップ・ディフェンスでドイツからターンオーバーを何度も誘発。3Q中盤にルディ・フェルナンデス(サンズが1巡目でドラフトし、その後トレードで権利がブレイザーズへ)がダンクと3Pシュートを立て続けに決めると、点差は23まで広がり、この時点でスペインの勝利がほぼ確定。後半のノビツキーはシュートが決まらず、わずか11点に終わった。

(スペイン)
カルデロン:17点
「スコアはまったく見なかった。ドイツにプレッシャーをかけ、彼らのミスから試合を有利に運ぶことができた。我々のスタイルは、40分間強い熱意を持ったプレイをすることだ。いいディフェンスをしていたし、ダーク・ノビツキーを抑えることに成功した」
ナバーロ&フェルナンデス:12点
(ドイツ)
ノビツキー:11点、6リバウンド
「前半途中まで接戦だったけど、(ディフェンスで)プレッシャーをかけられると、チームは下降線をたどるだけだった。準決勝に進むにふわさしいプレイをしてなかった」
ヤン・ヤグラ:10点

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2007年9月15日 (土)

EuroBasket 2007 (2) 9/12 二次ラウンド最終日

 マドリッドでヨーロッパ選手権(北京五輪ヨーロッパ予選)を取材中の青木崇氏からのレポート第二弾が届きました。二次ラウンドの最終日、9月12日のレポートです。

 1戦目、ドイツ対イタリアは、勝ったチームは準々決勝進出、負けたチームは大会終わりという瀬戸際のチーム同士の試合。
 2戦目、フランス対トルコは、すでに準々決勝進出を決めていたフランスと予選敗退が決まっていたトルコとの試合。トルコは3年後の世界選手権に向けて戦力を上げていきたい時期のはずですが、厳しい結果となりました。
 そして、最後のリトアニア対スロベニアは、この大会好調の2チーム同士の対戦です。

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★青木崇レポート ヨーロッパ選手権 9月12日★

■ドイツ 67-58 イタリア
Dirk_vs_barnanis  両チームともシュートが不調で、ハーフタイムのスコアは27-27。ダーク・ノビツキーは3Q終盤にベンチに下がった時点で、14本中3本しかFGを決められずにいた。しかし、この日のドイツはベンチプレイヤーが奮闘。ノビツキーがベンチに下がっている間に、ヨハネス・エアベア(ウエスト・バージニア大出身)が2本、ヤン・ヤグラ(ペン州大出身)が1本とNCAA経験者の3Pシュートによって、4Q開始時に46対37とリードを奪った。
 イタリアはウォリアーズにドラフトされたガード、マルコ・ベリネリが25点と奮闘。しかし、4Q中盤にノビツキーが2本連続で3Pシュートを決め、残り2分でエアベアの3Pシュートをアシストしたことが、イタリアの追撃を振り切る要因となった。イタリアにとっては、大会を通じてアンドレア・バルニャニ(ラプターズ)が不調だったのが誤算。平均12・7点を記録するも、FG成功率はわずか37%だった。

(ドイツ)
ノビツキー:15点、10リバウンド
エアベア:15点
「我々にはこの勝利が必要だったし、チームが一体となってプレイしていた。何本かシュートを決めたことで、僕だけでなくチームにも自信を与えることができた」
(イタリア)
ベリネリ:25点(3P3本、10本すべてのフリースロー成功)
バルニャニ:10点、6リバウンド
「結果にはガッカリ。調子がいまひとつだったことには、すごくフラストレーションを感じている」

■フランス 85-64 トルコ
Memos_2   この試合を前に2次ラウンド敗退が決まったトルコ相手に、フランスはボリス・ディーオの18点という活躍もあり快勝。トニー・パーカーの出場時間がわずか21分と、疲労の少ない状態で準々決勝のロシア戦に臨める状況を作ったのは、フランスにとってプラス材料だった。
 トルコは昨年の世界選手権でベスト8進出。ユーロバスケットでは、ヒドゥ・ターコルーとメメット・オクァーの代表復帰で、オリンピック出場に大きな期待が寄せられた。しかし、2年前のユーロバスケット同様、攻防両面でチームとして機能しない状況が続き、チェコ相手の1勝という無残な結果に終わった。

(フランス)
ディーオ:18点、5リバウンド
パーカー:10点
「厳しいグループ戦が続いたから、無事準々決勝に進めたことではハッピー。ロシア戦では、ターンオーバーから速攻での失点を防ぐことがカギだと思っている」
(トルコ)
カヤ・ペカー:19点
ターコルー:9点
オクァー:5点(今大会での平均は9・4点、FG成功率はわずか32%)

■リトアニア 80-61 スロベニア
Sarass  1次ラウンドから5戦全勝同士の対決は、4人が2ケタ得点を記録したリトアニアが快勝した。この日のリトアニアは、ラムナス・シスカウスカスとダリウス・ソンガイラがチームを牽引し、前半から試合をコントロール。大黒柱のサルナス・ヤシケビシウスは、故障していた左太ももの裏側を悪化させ、2Q終盤でベンチに下がると、後半は1分もプレイしなかった(準々決勝の出場は試合直前の状況次第)。
 しかし、スロベニアは得点パターンが豊富で、シュート力も抜群なシスカウスカスを止める答えがなかった。パナシナイコスでユーロリーグ制覇に貢献し、このオフにCSKAモスクワに移籍したシスカウスカスは、現在のヨーロッパで最高レベルのスイングマンと言える。スロベニアは、15点を記録した司令塔、ヤカ・ラコビッチの孤軍奮闘以外いいところなし。3Qで点差を2ケタにされると、4Qで反撃することなく大敗を喫した。

(リトアニア)
シスカウスカス:21点
ソンガイラ:17点
「チームはいい感じで戦っている。昨年と違い、サラス(ヤシケビシウス)とシスカウスカスがいるしね。次の相手がクロアチアだろうがギリシャだろうが、我々には勝つチャンスが十分にある」
(スロベニア)
ラコビッチ:15点、3アシスト
「リトアニアは強豪であり、我々よりもいいプレイをしたということさ。次のギリシャ戦に向け、集中を高めていくしかない」

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2007年9月12日 (水)

EuroBasket 2007 (1) 9/11 二次ラウンド

 スペインのマドリッドで開催されているFIBAヨーロッパ選手権(EuroBasket 2007)の取材をしている青木崇記者が、今回も大会のレポートを送ってくれることになりました。

 まずは、レポートに先駆けて、予選ラウンドの会場の様子を撮った写真3枚を掲載します(説明文は、青木さんからの説明などをもとに、宮地がつけてます)。

Espanas_3

 去年の世界選手権王者、スペイン代表。予選ラウンド4勝1敗の成績で、Eグループ1位で決勝トーナメント進出。明日の準々決勝の相手はドイツ。



King_of_espanas_3

 9/11の試合の観戦に訪れたスペインの国王、フアン・カルロス一世(一列目真ん中の赤いネクタイの方)。ナバロは国王と同じ名前だったんですね。
 皇太子は毎試合観戦に来ていたそうですが、国王はこの日が大会初観戦。



Russells_3

 ボストン・セルティックスの名センター、ビル・ラッセル(真ん中)も観戦に訪れてます。FIBAの殿堂に選ばれたそうなので、その受賞も兼ねた訪問でしょうか。


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 FIBAの動画配信をしているMediazoneでEuroBasket 2007の映像を見ることができます。残念ながら試合(有料)は日本は視聴地区外ですが、ハイライト映像なら、日本からでも見ることができます。

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2005年12月24日 (土)

コンンビア大@ノートラダム大

 在デトロイトのライター、青木さんが、車で片道3時間の道のりをかけてノートラダム大(インディアナ州にあります)までコロンビア大の松井啓十郎選手の取材に行ってきたそうで、レポートを送ってくれました。ビル・レインビアやジョン・パクソンなどの選手を輩出した名門、ノートラダム大との対戦です。
 私も、クリスマス明けにはNYマディソンスクエアガーデンでの2試合の取材に行ってきます。

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12/23 Columbia at Notre Dame ●68-75

松井啓十郎
 出場時間22分、1点(FG0-3、3P0-2、FT1-2)、1アシスト

 前半はほとんどシュートを打つチャンスがなく、残り45秒に左ウイングからNBAの3Pラインのうしろからシュートを打つもミス。2本目は後半最初のオフェンスで、左ウイングからキャッチ&シュートが右にずれてミス。3本目はバックドアからフリーになるも、リバースレイアップをミス。この試合で放ったシュートはこれだけだった。
 フリースローについては、8点リードされて迎えた残り1分4秒、ドライブの後、ヘッドフェイクで相手を交わし、シュートを打った際にファウルを奪ったもの。1本目を決めるも2本目は長くミス。結局得点はこのときの1点に終わった。

 試合は、コロンビア大が前半終盤までFG成功率50%を超えていた。ベン・ワチュクがインサイドで得点源となり、速攻でも3度得点したことによって、ビッグイーストの名門相手に、何度か4点のリードを奪った。しかし、ノートルダム大は前半終了間際に逆転に成功すると、後半サイズで勝るフロントラインがインサイドを支配。コロンビア大がファウルを多発する一方、4年生PGのクリス・クインが3Pプレイとなるレイアップとゴール正面から3Pシュートを立て続けに決め、残り5分を切ったところで51対63と勝利を決定づけた。

 この敗戦により、コロンビア大の成績は6勝3敗となった。

KJ(松井)
「シーソーゲームをしているとき、アホなファウルが多かった。タフさが十分じゃなかった。勝てる相手だった。シュートが打てないのはわかっていた。フリースローをもらったときのドライブなど、ジャンパー以外のプレイをレベルアップしないといけない。課題がはっきりしました」

ジョーンズ・ヘッドコーチ
「シュートは決まっていたけど、ディフェンスがまったくダメ。だから、ファウルが多くなってしまった」

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2005年11月22日 (火)

KJ、NCAAデビュー

 KJこと松井啓十郎選手(コロンビア大)のNCAAデビュー戦を取材に行っていたデトロイト在住ライター、青木さんから、2戦目のレポートが届きました。開幕戦については、掲示板の[2818]でHarrisonさんがレポートしてくれていますので、興味がある方はそちらをどうぞ。また、青木さんのコロンビア大開幕戦レポートは、12月発売の月刊バスケットボールに記事が掲載される予定だそうです。

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青木崇レポート

2005年11月19日(土)
Columibia Classics: Troy State vs Columibia  at Levien Gym (Columbia University)

 コロンビアは開始早々8連続得点を許すも、KJがキャリア初の3Pシュートを決めると、その後3本連続で成功させ、前半だけで12点。コロンビアはあっという間に逆転し、2ケタ得点差をつけた。後半、トロイは12本の3Pシュートを決めても猛反撃するも、73対71で逃げ切り。KJは後半、3Pシュートを1本も決められなかったが、速攻からレイアップを決めて、この試合14点。また、5本のアシストを決め、勝利に大きく貢献。34分間の出場は、チーム2番目に多かった。

KJs KJのスタッツ
34min  FG 5-12  3P 4-11  2reb  5ast  1stl  1to  14pts

試合後のコメント
「(放った3Pシュートの)2本目で成功し、2、3、4本目と入ったんで、これはいけるなという感じだった。(アシスト5本は我ながら)すごいですね」

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2005年9月26日 (月)

FIBA ヨーロッパ選手権レポート オマケ情報

 ヨーロッパ枠も決まり、これで世界選手権の各地代表枠はすべて埋まりました。となると、次なる興味は、残り4つの招待枠にどのチームが入ってくるか。
 青木氏がFIBA広報から入手した情報によると、招待枠は次の9チームが候補になっており、12月に4チームに絞られるのだそうです。

その9チームとは…

韓国、カナダ、プエルトリコ、ドミニカ、セルビア&モンテネグロ、イタリア、クロアチア、トルコ、ロシア

 アジア1ヶ国、アメリカ大陸3ヶ国、ヨーロッパ5ヶ国という内訳ですが、どういう基準で選ばれるのか、たとえば力と地域的なバランス、どちらをどれだけ優先するのか。それ以上に集客を期待できるチームを優先するのか。こうやって招待枠で出場国が選ばれるのは初めての試みだけに、今後の招待枠のあり方も示すことになりそうです。

2006世界選手権公式サイトにも、各地区予選情報などが掲載されています。

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