カテゴリー「アジアのバスケ」の記事

2009年8月10日 (月)

天津レポート(2)

 天津でJ-Sportsレポーターとしてアジア選手権を取材中の吉田暁央アナウンサーから、天津ABCレポート第二弾が届きました。吉田さん、お忙しいところ、ありがとうございます! ちなみに、吉田さんいわく、「慣れると天津は住みやすいところです。物価は安いし、食べ物はおいしい」だそうです。

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吉田アナ・天津レポート第二段

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 アジアバスケもいよいよ2次リーグに突入。日本はもうひとつ波に乗れないまま2次リーグ最初の相手、イランにも負けてしましました。相手の高さに圧倒されたのかもしれませんが…。あと2試合は絶対負けられない試合になりました。

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 前回は観客のいない天津体育館の写真を送りましたが、中国戦ともなると会場内は大声援に包まれます。改めて中国でのバケットボール人気の凄さに驚かされます。

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 中国美人も顔に国旗のシールを貼って応援です。誰の写真を撮っているんでしょうか? 場内には美人が多くついつい試合を追うのを忘れてしまいそうです(笑)。

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 さて、今回のABCは2つの会場で開催されています。
第2会場は南開大学体育館。この大学は周恩来さんの出身校だそうです。

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 2週目からはこの会場で13~16位の決定トーナメントが行われています。
天津体育館では19時から中国戦が行われますがあえて南開大学に行ってみました。カードはスリランカ対ウズベキスタン戦。観客はまばらでスタッフや警備の人たちの姿かめだちます。しかしコートでは選手たちが熱戦を繰り広げていました。

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 吉田さん、ありがとうございました。日本の次の2試合の相手はクウェートと台湾。2試合とも勝ってやっと決勝ラウンド進出の可能性が出てくる、という厳しい状況なので、なんとしてでも2連勝で希望を繋いでほしいものです。

 ちなみに、私もFIBA TVでイラン戦を見ました。たまに映像が止まるのと、解説は一切なしなのが物足りないですが、まぁ、年間30ドルですから、あまり文句も言えません。
 この試合で見た日本代表は、特に前半の動きは1次ラウンドよりもよくなってはいた(パスを出す先を探しているときでもゴールを狙っている感じで、それそれ、と思ってました)と思うのですが、20点差~30点差に開かれたあたりでやや集中力が切れてしまったという印象。あと気になったのは、個々のプレーがあまりに素直すぎるところ。もうちょっと嫌らしいプレーをしてもいいと思うんだけれどな~。

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2009年8月 6日 (木)

天津レポート

 日本代表を追いかけて天津まで来てしまいました…と言いたいところですが、残念ながら私はLAで原稿書きの毎日です。ただし、天津にはこのサイトの特派員(?)を派遣しました。…ではなくて、J-Sportsのレポーターとして、現地でアジア選手権を取材中の吉田暁央アナウンサーが、写真とレポートを送ってくれました。吉田さんの了解を得た上で、私の独断で編集して掲載します。茶色文字の( )部分は私の感想です。

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8月4日(火)
 日本代表は北京から陸路天津に到着。夜には市内の体育館で1時間ほど軽く練習を行う。しかし、いきなり、カタールが練習時間をオーバーして待たされた挙句、帰りのバス迎えにこなくてなかなか帰れない羽目に!

 パス(選手証、スタッフ証)の発行でもトラブル続き。追加召集された正中選手のパスが発行されていなかったり(これはすぐに解決)、トレーナーなど数名のスタッフ用パスはなかなか準備されず、チーム関係者は対応に追われる2日間であった。選手たちをしっかりサポートしたいのは山々であるが、その体制を作るまでにかなりの時間と精力を使わなくてはならなかった。
(移動、異国で疲れているところに、これはきつそうです。特にパスがないと何もできないですから、スタッフの方も苦労したことでしょう)

8月5日(水)
 朝8時から練習。時間は早いものの、日本チームの状態は上々のようだ。
ただし桜井選手は腰が悪く(ジョーンズカップで打った腰ですね)、練習は別メニュー。軽いストレッチだけだったとのこと。

8月6日(木)
A_2  写真は韓国戦の試合前の練習風景(試合前なのに観客がほとんどいない! 大会前日の試合の風景かと思いました)。反対サイドには韓国の応援が大挙して押しかけて、まるで韓国のホームコート状態でした。
(FIBA TVの映像でも、韓国チームのファンの応援風景が映ってました。数は少ないものの、日本からも日の丸の旗を持って応援にかけつけたファンがいたそうで、選手たちも嬉しかったことでしょう)

 追加召集の正中選手はパスは出たものの、公式に発表されたロースターにも載っていなくて、どうやら選手登録の手続きができていなかったらしい(そのため、吉田アナは私が紹介した台湾記者から「日本は11人で戦うのか」と聞かれたとか)。韓国戦では試合に出られず、スタッフとしてベンチ入りしています。今後出られるように交渉中だそうです。折茂選手は体調不良(お腹の具合が悪いとか)で韓国戦はベンチ入りせずでした。

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 韓国戦の結果は…皆さんご存知だと思うのでパス。以上、吉田アナの天津レポートでした。果たして、この天津レポートの第二弾があるかどうかは未定。吉田さんが元気だったら送ってくれるかも? とはいえ、お仕事で忙しいでしょうから、期待せずに待つことにしましょう。
 また、これは私の記事ではないので、今回はBasketball-zineには掲載せず、ココログだけの掲載にします。

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2007年8月 4日 (土)

6年後の“カタールの少年”

 引き続き、徳島で行われているアジア大会関連の話。といっても、私はアメリカで毎日インターネットで結果を追っているだけで、現地で取材しているわけではないので、また出場選手の思い出話です。
 日本は残念ながら決勝トーナメントに進出ならず、オリンピック出場権を逃してしまいました。すごく残念な気持ちとともに、個人的には思うことはいろいろありますが、現場で取材しているわけではないので、きょうはその気持ちは書かないでおきます。
 …と言いつつ、ひとつだけ。Basketball-zineの小永吉さんのブログ(Live Basketball)の8/3の3本(「日本の北京行きがなくなった長い1日(1) (2) (3)をぜひ読んでみてください(このブログをBasketball-zineのほうで読んでくださっている方はすでにチェック済みだと思いますが、ココログのほうで読んでくれている方のためにリンクしておきます)。
 特に(3)の佐古選手の言葉には考えさせられました。今大会、佐古選手は必ずしもプレー面で大活躍というわけではなかったかもしれませんが、こういう姿勢でチームを率いていたことだけで佐古選手が代表に入っていた意味があったのだろうと思います。去年までの代表ヘッドコーチ、パブリセビッチ氏が教えてくれたことを今後に伝えていかなくてはいけないのと同じように、パブリセビッチ氏以前の日本代表が経験し、学んだことも引き継いでいってほしい。何年かたって、今の若手選手がこのときの気持ち、このときの佐古選手の言葉を思い出して厳しい局面を乗り切れるときがやってくるだろうと信じてます。

Youngmen010811bs_2   さて、そんな日本代表の大会最終戦(7-8位決定戦)は8/5(日本ではすでにきょうですね)の対カタール。日本代表のことを考えていたら、ふと6年前のヤングメン世界選手権のことを思い出して、当時のscrapbookを読み返していたのですが、そこで一人のカタールの少年について書いていました。当時15歳のバクル・モハメッド少年(左の写真は2001年ヤングメンの記者会見で撮影)。
 ヤングメン(U21)の大会とはいえ、さすがに15歳は大会最年少。1986年生まれなので、日本代表では川村選手と同年代です。川村選手が6年前に田臥選手らといっしょにヤングメン代表に入っていたと考えると、どれだけ若かったかが実感できるでしょうか。
 さっそく今大会のカタール代表ロスターを確認すると、モハメッド少年…ではなくモハメッド青年の名前もありました。背番号13番。今大会のこれまでの試合のボックスをチェックすると、ほとんどの試合でスタメンとして起用されていますね。ポイントゲッターというわけではないようだけど中心選手の一人のようです(それにしても、6年前と登録身長が変わってない。あのとき、登録身長よりすでに2cm伸びたと言っていたのに(苦笑))。
 
モハメッド選手、今はどんなプレーをするのでしょうか。あの当時のふてぶてしくもあり、それでいてシャイな少年が6年後にどんな選手になっているのか見てみたかったな~。現地やテレビで観戦される方、ぜひ日本代表とともに、モハメッド青年についても感想聞かせてくださいね。

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2007年7月28日 (土)

サンドリン兄弟

 アメリカ代表については、8月の直前合宿が始まったらまた書く機会もあると思うので、ミニ合宿については(2)で終わりとし、きょうは別のトピックを。

 日本(徳島)では、今、アジア選手権(北京五輪予選)が行われている。参加国のひとつ、韓国に「ダニエル・サンドリン」という選手がいる。去年6月に韓国籍に帰化したものの、延世大では過去にヨーロッパのプロリーグでプレーしていたこともあって大学でのキャリアが続けられず。今年KBLドラフトで上位指名されて、オリオンスに入ったばかりの選手だ。韓国名を李ドンジュンといい、お母さんが韓国人、お父さんはイタリア系アメリカ人。
 彼と彼のお兄さんのエリックのサンドリン兄弟については、前にも何度か書いたような気がしていたのだが、どうやら掲示板や知人へのメールどまりだったようで、過去のブログやscrapbookでは見つけられなかったので、あらためて書いておこうと思う。

 ダニエルのプレーは5年くらい前、彼がシアトル・パシフィック大というNCAAディビジョンIIの大学でプレーしていたときに一度だけ見たことがある。当時BYUHに所属していた田臥勇太がNCAA(Div2)トーナメント1回戦で対戦した相手だったのだ。お兄さんのエリックと2人で長身でよく走るツインタワーを組んでいて、チームの中心選手の一人だった。正直言ってシアトル・パシフィックはBYUHよりもずっといいチームで、BYUHは実力も出し切れないままに完敗、これが田臥の大学最終戦となった。
 試合でも目立っていたこの兄弟、どうもアジア人っぽい顔をしているなと思ったら、試合後に、どうやら日系人の双子らしいという噂を聞いた。実際は、日系ではなく韓国人系で、双子ではなく2歳違いの兄弟だったので、噂の情報は微妙に違っていたのだが。

 ダニエルを見かけたのはこの1回だけだったのだが、お兄さんのエリックはその後、しばらくしてから何度か見かけ、話す機会があった。日系ではなく、お母さんが韓国人なのだということを確認できたのも、エリックに聞いたからだった。
 エリックと再び会ったのは2005年1月、ABAのベルビュー・ブラックホークスがロングビーチ・ジャムを訪れて試合をしたときだった。田臥もフェニックス・サンズを解雇された直後ですでにジャムに合流していたのだが、この日は体調がすぐれずに欠場。エリックは30分出て、14点、9リバウンドをあげている。
P1070560s_2  この試合の少しあとにエリックはブラックホークスを離れ、ハーレム・グローブトロッターズ入り。そのグローブトロッターズが3月NCAAファイナルフォーのときに、NCAAオールスターチームとエキジビション試合をしたのだが、そこでレイカーズのスカウトに目をつけられ、夏にはレイカーズの一員としてサマーリーグに出場。さらにそこでのプレーが認められたのか、秋にはサクラメント・キングスのトレーニングキャンプに参加していた。結局、レギュラーシーズンが始まる前にキングスのロスターからはカットされてしまい、その後はCBAやABAなど、マイナーリーグを転々としているようだ。
(写真は2005年NBAサマーリーグの試合にて。レイカーズ(紫)の20番がエリック・サンドリン)

 2005年1月の段階では、ダニエルはすでにバスケットボールは引退して働いているということだったのだが、まだバスケットボール選手として続けたいという思いは持っていたようだ。エリックも、母の国である韓国はもちろん、日本でもオファーがあれば喜んでプレーすると言っていたので、国籍制限のないbjリーグは彼ら兄弟にぴったりだと思っていたのだが、それより前に韓国KBLに彼らを発見されてしまった(笑)。
 今のところまだエリックは韓国籍は取っていないようだが、ダニエルよりも数センチ(大学時代は2インチ=約5cm差だった)長身で、運動能力が高いだけに、もしこの先エリックも韓国籍を取ったら、日本にとってはさらに強敵となりそうだ(彼らの場合は母親が韓国人なので、現FIBAルールなら、帰化さえすれば揃って代表入りも可能のはず)。
【訂正】 7/29記
 FIBAの規則をあらためて確認したところ、たとえ親が韓国人であっても、いったん放棄した韓国籍を再取得した場合には帰化選手とみなされる。現在、FIBAのルールでは帰化選手は各国一人だけに制限されているため、サンドリン兄弟が揃って韓国代表としてプレーすることはできないようだ。
 サンドリン兄弟の場合は、様々な状況からおそらく韓国籍はすでに放棄していた可能性が高いと推測されるが、もしも韓国籍を放棄していず(アメリカ他の国との重国籍であったとしても)韓国籍を持ち続けていたのなら、帰化選手としての数には入らない。
 (参) FIBA Internal Regulations 2006 (PDFファイル)  H.2.3

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 ひとつ書き忘れていたことがあった。エリックもダニエルも、シアトル・パシフィック大に行く前にポートランド大に在籍していたことがある。伊藤大司の先輩、というわけだ。二人とも、どうやら、ポートランド大(Div1)ではあまりプレータイムがもらえなかったようで、エリックは1999年に、ダニエルは兄を追うように2000年に、Div.2のシアトル・パシフィック大に転校(transfer)している。

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