続シーズンイン
9/14の「シーズンイン」記事の続き。少し間があいてしまったので、元記事に追加せずにこっちに新しくアップします。
すでに1ヶ月も前のことになってしまったけれど、9月、バスケットボール殿堂式典の取材の後に、少しだけ足を伸ばして、スラムダンク奨学生の早川ジミー&谷口大智の2人が留学しているサウスケントまで行ってきた。今月24日発売の月刊バスケットボール12月号にもレポート記事を書いたので、ここでは記事に書ききれなかった話をいくつか紹介。
■早川&谷口の2人と日本語で話していたら、チームメイトの一人が早川選手に「ジミー、君はいったいどこの出身? ブラックじゃないのか?」と聞いてきた。お父さんがアメリカ人の早川選手、確かにブラックの血が流れているのだからそう言われても不思議ないのだけれど、これは見かけだけの話ではないのだ。何しろ彼、いつの間にか流暢な、発音もネイティブかと思うような英語を話すようになっていたのだ。これにはびっくり。何しろ去年4月、トライアウトでサウスケントに行ったときには英語はほとんど喋れなくて、お父さん(日本語ペラペラ)ともいつも日本語で話していたのだとか。留学が決まり、高校バスケを引退した後に勉強したり、映画を見たり、英語を話す友人と積極的に交流したらしい。「昔からお父さんが話す英語はわかった」とも言っていたので、脳の後ろのほうに眠っていた英語が、勉強したことで呼び起こされたのかも。
■取材2日目は日曜だったので練習は休み。学校から車で30分ぐらいのところにあるスーパーとショッピングモールに行った。何しろ、サウスケントは車がないと買い物すらいけないような場所にあるので、必要なものはだいたいこのモールとスーパーで買出し。たまの気分転換でもあるようで、前日にはコーチから「羽を伸ばしたいのはわかるけれど、チームの一員である自覚を持って行動するように」なんていう警告もされていた。もちろん、彼らはまだアメリカの運転免許も車も持っていないから、いつもは学校が定期的に出してくれる大型バスに乗って行くのだとか。モールでは、シューズやスポーツウェアをだいぶチェックしていた。特に身長2m近い谷口選手は、日本ではなかなかサイズが合うものを買えないので、こうやってふつうにサイズが合うものが売っているのが嬉しい、とのこと。そう言いつつ、結局、この日はモールでは何も買わず。
■モールに行く道中に聞いてびっくりした話。早川選手、3年のインターハイ前の九州大会で膝を故障、なんと前十字帯が切れていたのだとか。ふつうなら手術して、復帰するまで1年近くリハビリをしなくてはいけないぐらいの怪我なのに、すぐに普通に歩けるようになったこともあり、トレイナーや医者に診てもらって相談した結果、手術もせずにリハビリ。結局、1ヶ月後のインターハイの初戦直前にチーム練習に復帰し、インターハイは普通に戦ったのだという。早川選手いわく、「稀に手術しなくても、前十字帯がなくても大丈夫な人がいるらしいで、僕もそうみたいです」だとか。実際、今もそのまま手術はしていないけれど、問題なく人並み以上に動けて跳んでいて、まったく影響は感じられない。
■ピックアップゲームでは2人が入ったチームは全勝。勝ち残りだったので、ずっとプレーしていた。2人ともハッスルプレーやリバウンド、シュートなどで勝利に貢献していて、コートサイドで見ていたコーチも2人のプレーには嬉しそう。
後からそんな話をしていたら、早川選手、「でも、あれは日本だったら全部ファウルにとられてましたよね」とのこと。日本でプレーしていたときには、すぐに
ファウルを吹かれてしまうので、思い切りプレーできずにいたのだという。そういう意味では、身体を張ったプレーを思い切りできるアメリカは彼には向いてい
るのかも。
■おみやげに月刊バスケットボール10月号を持っていったら、谷口選手が大喜び。というのも、そのインターハイ特集号には妹さん(大阪薫英の谷口菜生)が載っていたのだ。
■その谷口選手、小学生の頃から191cmあったため、昔はだいぶあちこちのメディアに取り上げられて、テレビ取材などもされていた。そのときの話になったら、「短パン履いてランドセルしょって、黄色い帽子をかぶって『行ってきます』って出て行くところがテレビで流れていて、今、あれを見るとちょっと恥ずかしいですね」と笑っていた。当時からまわりとは一回り以上サイズが違ったわけで(自分でも「あれは反則っすよね」とも)、その頃からお父さんとアメリカに行くことを話していたのだという。さすがに小学生の頃はその勇気は出なかったけれど、その後も「背が高いから勝てる」と言われるのが嫌で、同じような身長の選手と戦うことができる場としてアメリカでやってみたいという気持ちはずっと持っていたのが、今回の留学に踏み切った一つの理由らしい。
■谷口選手は、バスケ以外のことではどちらかというとノンビリ屋? 勉強は「苦手」だそうで、「バスケほど熱く語れない」とも言っていた。でも、アメリカでバスケを続けるためにはそうも言っていられない。そんな彼を早川選手が「勉強しないとヤバイよ、ダイチ」とハッパかけていて、この2人、なかなかいいコンビ。励ましを受けて谷口選手も、「(勉強も頑張るというのを)口だけにしないように、ここで言って、それを書いてもらえれば」と言っていた。なので、励ましの意味もこめてここに書いてみた(笑)。
最後に、下の写真はもしかしたら本邦初公開かな? 去年4月のトライアウトのときの写真で、当時、留学したばかりだった並里選手もいっしょに写ってます。この時点では、まだ谷口、早川のどちらか一人だけになる予定だったのだけれど、2人ともいいプレーを見せてコーチに評価されたこともあり、2人揃って合格ということになったのでした。
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